11月20日(金)の夜、仕事が終わってから新宿駅に集合し、穂高駅に着いたのは12時近かった。
今日のスケジュールは、穂高駅周辺で一杯やって、その後タクシーで一ノ沢登山口まで行ってテントを張るつもりである。
しかし、お店がやってない。
電気が着いているお店に「もうダメですか?」と声をかけるが、もう店仕舞いしてしまっている。
困ったなーとウロウロしていると、
『とり正』という居酒屋のご主人さんが「どうした?飯食べてないのか?おじやくらいなら作ってやれるよ」と声をかけてくれた。
なんという人の良いおやっさんだ。
穂高駅前すぐの名店である。
タクシーで一の沢に着いたのは夜中の1時半。
早速テントを張り、地べたから来る強い冷気を酔いの力で防ぎ、深い眠りについた。
翌朝はなかなかの天気であった。
2時過ぎに寝たため、予定よりちょっと寝坊してしまったが、まあ今日は常念小屋周辺に荷物をデポし、頂上を往復して小屋周辺に戻るだけだから問題ないだとう。
雪は思ったよりも少なく、多いところでもひざ下くらいだ。
気持のよい雪道をちょっと寄り道したりしながら進み、最後の水場も12時半前に通過した。
13時40分過ぎ、常念小屋のある常念乗越しに着いた。風がめちゃめちゃ強い。いきなり雪がなくなったが、風で飛ばされてしまうからなのか?
ここで荷物をデポし、アイゼンも外して身軽になり、頂上を目指す。
思ったより頂上が遠い。1時間半かからずに着くと思ったが、なかなか着かない。
休み休みとはいえ、コースタイムよりもかかってしまっている。
お腹が減ったが食料をすべてデポしてきてしまったのは痛かった。
15時54分、ようやく頂上に到着した。
やはり頂上は嬉しいものだ。
サンダルとがっちり握手を交わして、暫く周囲の山々を見て過ごした。
至福の時である。
槍方面に雲がかかってしまっているのがちょっと残念だ。
時間は16時を過ぎており、日が短くなっているので暗くなる前に常念小屋のテン場まで戻ろう。
下りもまた空腹に悩まされた。
水もほとんど持たなかったので、途中でなくなった。
ちょっと油断していた。今回の反省である。
常念小屋の冬季小屋に着いたのは17時17分。もうすっかり暗い。テン場にテントを張るつもりであったが、今夜はここでお世話になる。
小屋の中はマイナス5度だった。
外と比較するとまだ暖かい。
新富士バーナーの新しいストーブであるSOTOを取り出し、早速黒霧島を燗していただく。
サンダルはホットウイスキーを飲んでいる。
最近購入した山道具の中では最高にスグレものだ。
SOTOのおかでで小屋の中はかなり暖まってきた。
利用者は僕ら以外いないので、より空気が温められた2階にテントを張らせてもらった。
もちろん利用代金は郵送させていただいたし、完璧に掃除して帰りました。
嬉しいことに山小屋のご主人から、僕らが登頂した次の日の常念を麓から撮影した写真を送っていただいた。
本当にありがとうございました。
しかし、こんな快適な夜を迎えられるとは思わなかった。
お酒&カレーうどん(岳食というシリーズのフリーズドライ)に平らで暖かい(といっても氷点下ではあるが)寝床。
登頂した満足感もあり、至福の眠りとなった。
翌日は下るだけなので余裕がある。
横通岳に登ることも考えたが、そのまま下った。
途中でロープの練習をした。
ちょっとした斜面でお互いを確保してトラバースする練習だ。
ロープを出すと、それだけで本物の山男に近づいた気になれるから不思議だ。
(素人なのでロープを使いこなすことに憧れがあるのです。)
下りは青空の中、快調に飛ばし、11時過ぎには登山口に着いた。
ここからタクシーを呼び、穂高駅へ向かう。
とり正はまだ店を開けていないのが残念だったが、しっかり酒を呑み、爆睡しながら東京に向かった。
初冬の常念は最高の山行となった。
今回の山行では常念小屋が閉鎖していたのでバッジをゲットできず。そのため自主制作した。





