神様と天使 プロデューサーの手腕 | ランディ・マイズナー 心の歌

ランディ・マイズナー 心の歌

イーグルスのベーシストだった
ランディ・マイズナーの軌跡、心に響く歌声を
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イーグルスほか、70年代ヒットも満載です

ランディ・マイズナーファンでスピリチュアル好きな私がジョージ・ハリスンを聴くと、書きたいことがあれこれ出てきます。

先日、ジョージ・ハリスンのアルバム「All Things Must Pass」(1970年)に触れて、「Beware of Darkness」をUPしました。
若くして成功した大スターで雲の上の人だったお方と、当時下積み時代の、でも素晴らしいランディの歌。

夏海さんが、「ジョージ・ハリスンは神様で、ランディは天使みたい」と、絶妙な感想をコメントしてくれました。

それで思ったのですが、ジョージ・ハリスンも次作のアルバム「Living in the Material World」(1973年)では、サウンドが全体的にシンプルになって、天使なイメージになったんですよね。

アルバム「All Things Must Pass」は、オーバー・ダビング等で魔法のような音を作り出すフィル・スペクターとジョージ・ハリスンの共同プロデュースで、ストリングスアレンジも、ビートルズ時代と同じく、ジョージ・マーティンさんです。

アルバム「Living in the Material World」の方は、ほぼジョージ・ハリスン自身のプロデュース。

前者が個々のアーティストの才能が昇華した神的アルバムとすると、後者はよりシンプルにアーティストの思いを歌ったピュアなアルバム、なんですよね。(個人的な感想です)

「All Things Must Pass」はリマスターされたアルバム(オリジナルに近いといわれる2014年の)しか聴いてませんが、エコーがかなりかかっていて、ギターのエフェクトもさりげなくも凄味があって、壮大なイメージです。


( エコーの効果で、籠って反響している、非日常的な、湿った音・・・というのは、初期イーグルスが嫌った、プロデューサーのグリン・ジョンズが作り出す音と同じ傾向みたい。

前述の共同プロデューサーのフィル・スペクターは、1960年代の前半には、オーバーダブを駆使した、幾重にも重なってるのにまとまって聞えるという音作りをしていて、のちのウエスト・コースト・ロックに多大な影響を与えた・・・というの流れも興味深いです。

イーグルスは70年代の前半に、もっとカラッとスカッと行こうぜみたいに始まって、徐々にアメリカンな独特な陰影を帯びていった・・・)


話戻ります。

とはいえ、ジョージ・ハリスンがアコースティックギターだけを掻き鳴らして歌う「Beware of Darkness」も聴きましたが、独特のコード進行といい、とてもカッコいいです。
アレンジの効果も、やはり元歌の素晴らしさがあってこそ。
当時のジョージ・ハリスンのカリスマ的なものは凄いですね。

ランディの「Take It To The Limit」も、ランディの思いが込められた原曲に、イーグルスの面々の手が加わり、素晴らしいアレンジが加わって、エンジニアが腕をふるって・・・
もうこれは、間違いなく神的サウンド。

懐かしくて、壮大な、アメリカの風景が見えてくるでしょう。


さて、今日の曲は。
ランディもジョージ・ハリスンも、天使な方いきます。

ランディは、ソロファーストアルバム、邦題「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」(1978年)より、ピアノとアコギだけをバックに、噛みしめるようにしみじみと歌う、アルバムタイトル曲を。
オーバーダビングとは無縁の、小さなライブハウスで歌っているような、しっとりしたナンバーです。

このソロバージョンの「Take It To The Limitに」は、イーグルス時代の聴かせどころの、高音のパートはないです。

代わりに、ランディが喧騒のマテリアルワールドから逃れて、自身を振り返っているような、安らぎがあります。
アメリカの原風景ではなく、ランディの心象風景が見えて来ます。

天使のような歌声が、心に沁みこんでくるようでしょう?


ジョージ・ハリスンは、アルバム「Living in the Material World」から、「Give Me Love」を。
1973年にシングルカットされた曲で、全英8位だけどアメリカでは1位になったのがわかる気がする、カントリーアレンジが心地いい、素直な感じの曲です。

アルバムはコンセプトアルバムになっていて、この曲がトップに収録されてます。
ラブソングではなく、神よ愛をお恵みください、平和をお与えくださいと、歌われてる・・・。

逆にラストの「That Is All」は、これが僕の言いたいことのすべてだよ、僕が落ち込んだ時は、君が微笑んでくれたらそれでいい、君をもっと愛させてほしいんだ・・・と、身近な愛を歌っているようです。

大きな愛に見守られてると気づいたなら、帰るところはまわりの小さな愛。(勝手な解釈です。スミマセン)
素敵なアルバムです。


ランディのファーストアルバムも、もっと切り口を代えてアピールしてたらよかったんじゃないかと思うんですよね。
これは、またの機会に書きます。


Randy Meisner - Take It To The Limit (solo)



George Harrison - Give Me Love



ランディのような、美しい天使!