ベル・アンド・セバスチャン、通称ベルセバのIf She Want’s to Me。

もう何度聴いたか分からない。ともかく好き。

一聴すると地味な佳曲という印象だろう。全然間違ってない。

でもよく聴くと違うんだよなあ。


線の細いボーカルに控えめなコーラスはこのバンドらしいところだ。

歌詞の世界観によく合う。

うるさくないが小気味よいドラム、それに積極的に絡んでいくベースが愉しげな雰囲気を維持してくれる。

右で絶えず鳴ってるリズムを刻むエレキギターに対して左のギターは入れ替わり立ち替わりである。

右と違うストロークをするアコギかと思えばオートワウのかかったエレキの時もある。

さりげなく小音量で入ってるので気づかない人も多いだろう。

右も決めでディレイのかかったエレキのトラックが被るとか芸が細かい。

エレピが序盤の途中からいい雰囲気で入ってて遅れて入ってくるハモンドと対になっていい仕事をする。

洒落たエレキギターのコードソロの次にエレピとハモンドが左右で付かず離れずのインタープレイを繰り広げているのに

どれだけの人が注目しただろうか。

ストリングスも積極的なカウンターメロディを奏でている。

この曲で鳴ってる全楽器が控えめであっても積極的なプレイをしてて

打ち込みではないバンドサウンドであることを主張しているようだ。


90年代末のグラスゴーのギターロックの代表的なバンドだけれど

この曲はミレニアム、サジタリウス系のソフトロックの風情がある。

プロデューサーが主役みたいなアレンジの妙。