(日本人)
日本人が議論を嫌うのは、それが利害関係者の対立を煽って合意を難しくさせるからだ。
有能な政治家とは、正義や理念を語るのではなく、水面下の交渉で関係者を脅したりすかしたりしながら、合意を取りまとめられるひとのことだった。(P211)
よくテレビで、「今の日本に優秀な政治家、本当の政治家がいなくなった」という(年寄りの)人の発言があります。
何をもって優秀というのか、いまいちピンとこなかったのですが、おそらく橘氏が指摘していることをもって“優秀な政治家”ということだったのですね。
これって、いわゆる「ムラ」の論理ですよね。
尖閣にしても、竹島にしても「まぁまぁ、そのへんのところは…」という感じで、根回ししたり、水面下で交渉したりしていたのでしょう。
はたして、それが優秀なのか???
それは個々人の見解に委ねますが、20世紀はまだ「ニホンムラ」が通用する時代だったのです。もちろん、「チュウゴクムラ」も「カンコクムラ」も。
しかし、真のグローバル化が蔓延している今日において、旧来の「ムラ」の論理が通用しなくなっているのは、火を見るまでもなく明らかです。
それは国と国だけでなく、原子力「ムラ」、教育委員会「ムラ」といった国内の「ムラ」意識にも批判が向けられているように、ニホンムラの内部でも起こっていることです。
これが真のグローバリズムというものですね。