今日も何だか伝えなければと思うメッセージを書き込んでおきます。

 

それは、「自分に対する嘘」における自覚の重要性です。

 

人間の心理というのは、複雑に色々なことが絡み合って出来ています。

しかし、根本的な所まで読み解いていくと、その仕組みは、極めて単純だと私は思っています。

 

私は、次のように理解しています:

 

人間は、自分に嘘をつく時が一番苦しい。

人間は、自分がありのままでいられる時が一番幸せ。

 

自分がありのままでいられる時というのは、自分に嘘をついていない状態です。

こうでありたい、自分はこう信じているんだ、自分はこうなんだ、そういった所に素直でいられる時、私達は自分自身から解放され、自由や自信、喜び、充足感といった幸せを感じるものです。

 

素直になるための手段は、時と場合により、様々でしょう。

- 力尽くで打ち破らないといけない何かがあるかもしれませんし、反対に優しくならないといけないかもしれません。

- 他者より自分の気持ちを大事にすることが必要かもしれませんし、反対に自分より他者の気持ちを大事にすることが必要かもしれません。

- 自分の立場を取り戻すために立ち上がることが鍵になるかもしれませんし、反対に相手の立場で考えることが鍵になるかもしれません。

- わがままを言うことが打開策になるかもしれませんし、反対に我慢をすることを覚えることが打開策になるかもしれません。

 

時と場合によって、解決策が違うというのが難しい所です。

では、解決策というのは、どうやって選んだら良いのでしょうか。

 

それは、既に冒頭で述べましたが、自分に対して嘘をつくのをやめることです。

人間は、自分の身を守るために、自分を奮い立たせます。ですが、その防御システムが過剰に働くと、我が身を滅ぼしかねません。

 

自分に対する嘘を発見したい場合には、自分自身に次のような問いをかけてみましょう:

あなたが怒りを感じる時、本当は悲しんでいるのではないですか。

あなたが笑って誤摩化す時、本当は怖れているのではないですか。

あなたがどうでも良いと言ってのける時、本当は寂しいのではないですか。

あなたが疲れたと思う時、本当は生きたい人生から逃げているのではないですか。

あなたが叫びたい時、本当は誰かに抱きしめてもらいたいのではないですか。

あなたの涙が止まらない時、本当は自分の無力感を認められないのではないですか。

あなたが大丈夫と言う時、本当は認めたくない何かがあるのではないですか。

あなたが未来への決断が出来ない時、本当は過去の経験にとらわれているのではないですか。

あなたが後悔する時、本当は未来の自分に自信がないのではないですか。

 

言い出したら、キリがありませんが、私達は我が身を守るために、投資したり、物を揃えたり、知識武装をしたり、馬鹿な振りをしたり、コミュニケーションスキルを磨いたり、力をアピールしたり、見た目にこだわったり、コネを広げたり、他者と距離を置いたり、良い子ぶったり、悪態をついたり、キャラを作り上げたり、強がったり、鬱や病気になったり(←今回は触れません)、あらゆる方向の様々な手段に出ます。

これらは全て、身を守るためです。それが本質的に正しい身の守り方ではなくても、防御として自然と行います。全ては自分の意識によるものです。遺伝子や見えない世界の影響を含めた潜在意識も言うまでもなく意識のうちです。そういうものであり、それで然るべきなのです。

 

しかし、自分を守っているうちに、気が付けば自分に嘘をついている場合も多くあるものです。

その場しのぎでは正しい防御の仕方も、慢性化すると逆効果になることもよくあります。というのも、思考回路が一定に決まってしまうと、思考が凝り固まってしまいます。思考が凝り固まると、情報伝達も限られてしまいます。そうすると、発生する感情も凝り固まってしまいます。そして、そのようにして増幅されると、性格が極端になったり、心身が病気になる可能性さえ出て来ます。

 

では、どうやったら自分に嘘をつくのをやめ、素直になり、正しく自分を守っていけるのでしょうか。

それは、正しく自覚を持つことです。

 

自覚を持つには、自分の認めたくない考え弱さを受け止める覚悟が必要となるでしょう。

人間誰しも乗り越えないといけない弱さトラウマは数多く存在します。多くは、幼少の頃初めての経験にルーツがあるでしょう。

 

そういった過去には、思い出したくないこともいっぱいでしょうが、根本的に思い出したくないことの本質が何かと言えば、それは「自分への落胆」の経験です。

 

自分が自分自身に落胆したことに直面したくないから、私達は自分に嘘をつくのです。

自分自身に落胆すると、どうなるでしょうか。その結果、無力感を抱きます。「自分は無力ではない!」「無力になりたくない!」という、自分自身への反抗が生まれるので、事実を認めないようにするための自分に対する嘘が始まるわけです。

 

自分のことを信じたい自分の力を感じたい生を味わいたい未来への可能性を感じたい、そういった生と進化の前提にある発想が私達の本能の根本です。

言い換えると、落胆のように自分としての生と進化を否定する事態が起きた際には、私達は苦しみを感じるよう、これまで進化して来ました。その方向へ向かわないようにするためです。自分の目的通りに進化していくのが目的だから、それを阻むことをしないように設計されているのです。

 

なので、話をまとめると、幸せになるためには、自分のことをよく知ることが何よりの鍵です。

そのために、自覚を身に付けることです。

 

自覚というのは、全てを知ることではありません。

自分のわからないことをわからないと自覚することも含めて、自覚です。

 

全てを知ろう、全てがわかっていないといけないと思う背景には、恐れがあります。

全てを知らなくても、全てがわからなくても、あなたが自分自身を守れるという自分に対する自信があれば、あなたは苦しむことはなく、充足感を抱くことでしょう。

 

色々な物事や人々に囲まれて暮らす私達ですが、結局の所、私達は他者に自分自身を映し出しているだけです。全ては自分を映し出してるです。周りに問題があるのではありません。あなた自身が取り組むべき課題が映し出されているだけです。何も怖れるものはありません。見えてしまえば、わかるものです。

 

それでは、今日はこの辺で。