桜乱舞 王子動物園句会

開園60周年の王子動物園 10時。つきひ、さくら、ひろひろ、播町、だっくす、どんぐり、英、ろまん亭、一風、蛸地蔵、りっこ、集合(順不同)。稲村さん、弥太郎さんは句会場で合流する。見水さんはご用があり句のみ参加。

うすぐもりなれど、花もあり、若葉もあり、良い日になりそうと期待が高まる。65歳以上は入場無料の園内へ。
まずは左手、フラミンゴ。オレンジ色のロマンチックな鳥たちが、にぎやかに鳴き交わす。「羽の裏と嘴の先は黒いんや」などとことらもにぎやかに観察。
「中の島でしゃがんでいる数羽は卵を抱いている」と王子動物園に勤務する蛸地蔵さんの説明。なるほど立ち上がったフラミンゴの足元に卵がある。「つがいで温めるんかナ」「これだけおったら父親がわからん」「乱婚やナ」「ハーレムや」と人間の感想を言い合う。数字は得点数。

雀までなんとにぎやか花見かな 0 稲村
全員ほぼ一緒だったのはここまで。自然に思い思いのところへ。と、突然、思いがけない息をのむ程の花吹雪。
名句がたくさん生まれました。
猛吹雪但し桜のと予報士が 0 播町

桜の猛吹雪はうれしい。
本日の最高点の1つ。桜情報を気にしながら準備してくれただっくすさんの思いがにじむ。
「前掲の句に多く点が入ってなんでこれに入らへんのやろ」とひろひろさん。百年に一度という表現には地震への思いもある。地震と花吹雪の関連が見えない。前掲句は豪華と言わずにすごさを思わせる。など意見が続出。そして、あとの懇親会でこの句を◎にすると、つきひさんの重大変更があるなど話題作となった。
踏みしめる桜の花びら香りたつ 4 一風
「桜の花びらって香りするんか?」「する、感じられた」
花吹雪阪急各停先頭車 0 播町
花吹雪遠き先よりひしひしと 0 蛸地蔵
花びらに交じって飛ぶはひらひらと 0 ひろひろ


散る花は動物たちを喜ばせ、園全体が飛花の渦にのまれました。
本当にでっかい舌がすっと伸びた。
パンダ舎へ花の風紋踏みながら 6 つきひ
「風紋というのは普通砂丘とかを言うんだけど…」とつきひさん。辞典では砂丘などとあるから花の風紋はいいヨ」たしかに花びらが風紋を描いていました。


動物園といえば百獣だよネ。

「土色」が話題に。象はだいたいそんな色だが…。イヤ象は鼻で自分の背中に土を吹きかける。王子動物園はそんな自然な姿を大切にしていると作者。

昼寝は夏の季語や。投票してしまったけどシマッタ。

桜満つ句会の季語に散りぬるを 0 ひろひろ


黙々と花の屑掃く仕事人 3 さくら

花びらも一緒に食べる。
「ひとつ聞き……」の句。
そのとおりや、身につまされると投票したのに、これは女性へのエールと作者に言われて「ナニソレ!」とブーイング。
「支柱受け……」
神戸の開花情報の基準。もうだいぶ樹齢を経てきた。いつまで標準でいられるかしら。

花の動物園は句材がいっぱい。
「神戸では……」
意味が深い。原発に汚染された海、被災から16年経った神戸、東北への思いが伝わる。


ロマンがある。

羽をひろげた孔雀の姿は見事。

拍手する子供の笑顔の先に象 0 一風
山孫と祖母手を振る写真の背に桜 1 一風
まや山もアシカの池も春眠る 0 ろまん亭


動物たちの表情にはヒトも思いを寄せてしまう。特に霊長類には…。

ジョニーへの伝言、60年待っても届かない。
ジョニーは日本一長寿のチンパンジー。風格あり。


ジャイアント・パンダは無心(?)に笹をたべる。
毎年の花の姿に違いなし 0 蛸地蔵
花冷えの路を昼餉へ急ぎけり 1 播町
老い桜小枝の先の淡い色 2 弥太郎


それにつけても心痛むのは3月11日の東日本大震災のこと。
「タイムリーな時事句」「現地との落差を感じる」
大地震の復旧遠し花は葉に 7 だっくす
時は移るのに壊れたものの復旧が見えないもどかしさ。
北上の岸辺の無残啄木忌 1 見水
望郷よ北国の春歌う友 0 ろまん亭
あまりの痛ましさにお見舞いの言葉を失います。

そして、句会場は素敵な建物、神戸登山研修所内へ。
摩耶の嶺色どり添える山桜 1 一風
葉桜や岩登り登山研修所 0 どんぐり
レンガ塔青いツル草春日差す 0 弥太郎
新人に昔を思いにが笑い 0 英

四月馬鹿つまらぬネタで皆しらけ 1 英
春の坂紺の制服弾む声 2 弥太郎
松陰か海星か、まぶしい乙女たち。
以上、70句ですべて。それぞれが9句選し、1句に◎(2点)、自選1句。つきひさんの当を得た進行。ダーウィンも笑っているかナ。表彰式も同会場。7点句が2つもあるだっくすさんが24点で堂々の1位(でも賞品は得点の少ない順にもれいました)

お楽しみ懇親会は三宮・ミント神戸「うおまん」。
あ~あ、終わっちゃった。幹事さん、皆さんありがとう。
ランダム句会にはやさしさがある。
次は海を越え阿波徳島か、紅葉の京都嵯峨野か、それとも……。
2011.4.16
文:りっこ 写真:ろまん亭