姫新線の四季 つきひ

入学の子等どっと乗りどっと降り
播磨路の寝釈迦てふ尾根なだらかに
太陽光パネル抱へて山笑ふ
花見客ぱんぱんに詰め一輌車
各駅停車拾ひつつ行く春の色
果物のおしゃべり封ず袋掛
軽鴨の放たれし田の二三枚
ウクライナ国花ひまはり項垂るる
夏草に構へ撮り鉄らしき人
一輌車丸洗ひして大夕立

集落は途切れ花野は続きをり
二時間に一度の列車蒲の絮
お伽噺のやうな集落蕎麦の花
峡深し秋の田天に金放つ
幾重にも棚田の畦の曼殊沙華
「御座候」買うて温める悴む手
眠る山へ玩具のやうな汽笛かな
寒林の解体図めく一樹かな
終列車帷子雪の無人駅
木版画めく県境の斑雪


姫新線の事は、私の句集「俳句の時間」にも書いたことがあります。赤字路線、廃止路線の話題には必ず出て来るJR路線です。「俳句の時間」発行から15年経ちました今も、私の明石と岡山美作の二拠点生活が成立しているのは、この路線のお陰です。私が利用しているのは姫新線の一部ですが、各駅に、沿線の四季の景色に、思い出があります。
姫新線が走っている間、私の足が動く間は、今の二拠点生活を続けようかなと思っています。
姫新線写真:tukihi,写真構成:mimizu(2023年1月)