
「もう梅がほころびる頃ね」と句友と3人で姫路好古園に出掛けました。
願ってもない梅日和、吟行にも持ってこいです。
JR宝殿駅で下車、高砂市の『和膳松たに』で「鯛のあら炊き定食」のランチ。新鮮な魚に舌鼓を打ってから姫路に向かいました。
修復完成間近の目映い白鷺城を仰ぎつつ好古園の門を潜ると、子猫が行儀よく出迎えてくれました。
好古園に入ると、紅梅、白梅と一輪二輪と咲き始めたばかり、開花を待つまん丸の蕾の何て愛らしいこと。
鉢植えの梅は満開で濃紅梅、薄紅梅、白梅がその姿香りを競い合っています。
芳香に振り返ると小さな木に臘梅が4つ、5つ存在感があります。嬉しそうに天を向く木の芽、温む曲水、軽やかに跳ねる池の鯉、私たちを歓迎してくれた春時雨、春の息吹が五感に響く楽しい一日でした。
つきひさん、色々ご教示いただき有難うございました。
芙蓉さん、ステキな企画、そして運転お世話になりました。(さくら)
《梅日和 10句 さくら》
あら炊きの鯛の頭の桜色
行儀よく出迎へくれし子猫かな
一輪の梅に浮き立つ旅心
芽柳のてんでに遊ぶ池畔かな
抜きん出てぼうたんの芽の逞しき
造園業忙し近づく梅まつり
曲水に紅を映して花馬酔木
水温む軽やかに鯉跳ねてをり
吟行のペンは止めずに春時雨
白鷺城仰ぎ見る間の春時雨

《好古園散策 10句 芙蓉》
梅まつり準備の最後芝をひき
いつしかに集まる鯉や春陽射す
集中し岩突く鯉春めける
紅梅の空つかむ枝や西の丸
それぞれに名札のありて牡丹の芽
花馬酔木なにげに咲きて足留る
まんさくの天真爛漫庭すみに
盆梅の緋色に杖の歩の向きて
春の雪落つるともなく漂へる
名園の帰途見上げては春時雨
穏やかな一日を授かり、好古園を散策しながら季語や俳句の話で盛り上がりました。充実した本当に楽しい一日でした。(芙蓉)

集まりの発端は、句会のお世話をしている私への「ご苦労さんランチ会」。美味しいものと俳句づくり、私の一番好きなコースです。
好古園にまで足を伸ばすのならミニ句会位出来るかもと、淡い期待と下心?を持ってルンルン気分で参加しました。
2月の好古園は『どうぞ俳句をお作りください』と言わんばかりに、梅、まんさく、馬酔木,山茱萸、牡丹の芽など季題が溢れていました。梅祭りも間近で造園業者の車が並び、ロビーに大きな盆梅を置いたりしていました。
趣向をこらした見事な池泉回遊式庭園を散策しながら、借景の姫路城も間近に見ることが出来ました。最近、好古園は映画やドラマのロケ地としても有名で若い人にも人気があるようです。散策中に時雨が来たり、外国からの観光客に出合ったり、ゆっくりと贅沢な俳句の時間が流れました。
同行のさくらさん、芙蓉さん共にベテラン俳人。時間の都合もあり好古園でのミニ句会は実現しませんでしたが、後日10句提出というノルマが、私からお2人へのお礼の印(?)でありました。(つきひ)
《早春の好古園10句 つきひ》
キャラメルにふくらみし頬梅日和
固まりて日を返す白花馬酔木
流水の巾春光の巾なりし
世界遺産の城背景に牡丹の芽
紋様にはや火焔あり牡丹の芽
紅梅に倦みて見上げる天守閣
侘助や解けぬ喪心抱きつつ
空の瑠璃降り来てここに寒あやめ
まんさくを見落してをり引き返す
竹林の四阿あたり春時雨
(2015・姫路好古園) 写真:sakura


