『魔法少女まどか☆マギカ』 を見ました。 | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

『魔法少女まどか☆マギカ』 を見ました。

 本格的に春の陽気になって来ました!でもマスクの中が汗でベショベショになるのが残念なこの頃。どうも米原です。

 

 1月頃のミーティングにて行われた「王道・邪道について考える」企画。というのがありました。

【王道】を理解してるからこそ【邪道】なシナリオを生み出せるし、その王道と邪道を考慮しつつさらにその裏をかいたりあるいは深みがあるシナリオが作れる。ので、メンバーは【王道】と【邪道】とはなにかをしっかり把握できているのか、制限時間内でちょっとしたシナリオを作ってみよう!できあがったシナリオに投票して順位も付けよう!
 

…的な感じで、ちょっとした創作レクリエーションを行いました。結果、私が最下位だったので罰ゲーム、というよりはちょっとした追加課題的なモノが与えられました。王道と邪道の情報がメンバー内で1番古いのでは、という話になり、「じゃあ現在の王道と邪道をインプットしよう」ということになりました。折角なのでブログの方に感想をまとめようと思います。今回ネタバレは普通に出てくる感想になるので読む方は気を付けて。

●課された視聴作品

【王道作品】⇒『ソードアートオンライン』オンラインゲームというテーマを「人気で定番の題材」という認識まで押し上げた作品、という印象。
【邪道作品】『魔法少女まどか☆マギカ』魔法少女という定番の題材の裏をかき違った切り口で構成されたシナリオ。その後、影響された作品が大量に生まれたという印象。

 どちらも今やそれぞれのジャンルの代名詞ともいえる有名作品ですね。私は見たことがなかったのですが!この機会にいよいよ見る事となりました。パチパチパチ。

今回は『魔法少女まどか☆マギカ』の感想をつらつら書いて行きたいと思います。

●『魔法少女まどか☆マギカ』 来年で10周年かな?ついに見る時が来たか!という感じです。

 最早【王道】になってしまった【邪道】は【邪道】と呼べるのか?みたいな話にもなりましたが、当時大きな話題になった作品に触れるという意味でも、【現在の王道】を学ぶという意味でも刺激になると思っていたので楽しみにしておりました。 「前情報は入れないで見てね」ということでしたが、滅茶苦茶話題になった作品なので、webを使っている以上、完全に知らない状態でいるのは難しかったですね。放送当時のTwitterから流れてくる情報から「シナリオは虚淵玄」「キュゥべぇがやべぇ」「マミさんがマミる(当時首から上が無い絵が大量に流れてたのでお察し」という点は知った状態でスタート。

 冒頭。最初からクライマックス。まどかが不気味な世界から現実の世界に戻って来たかのような描写。でも現実世界は明らかに崩壊してて、巨大な何かに苦戦するほむらを発見。「僕と契約して、魔法少女になってよ!」とのことなので、どうやらこの時点でまどかはまだ魔法少女じゃない様子。そしてなにかを叫ぶほむらと決意した顔をするまどか。

 そして、THE魔法少女モノのOP。ここで冒頭で「世界が崩壊した時点でまどかはまだ魔法少女じゃない」のに、OPでは「魔法少女として日常を過ごすまどか」がいるのにすこし違和感。そして第一話から、「これはループ物である!」という伏線が大盤振る舞い。冒頭を見るにほむらは明らかにループした記憶持ちであり強くてニューゲーム状態。そして全12なのに2話が終わったが時点でまどかはまだ魔法少女にならない。ので、「本編はループの終わりを描くはず」で、これは「タイトル通りまどかが魔法少女になる決意をする話」なんだな、ということが大体察することができました。

 個人的に一番すごいなと思ったのは、かなり序盤から「願うこと(魔法少女になること」と「『願いを叶える』ということはどういうことか(魔法少女になった後どうなるか」と「祈りと呪い」について丁寧に描いていたことでした。本来、魔法少女は「願いを叶える為に魔法少女になる」ものだと思っていたのですが、逆にまどマギは「願いを叶えた代償に魔法少女になって戦わなければならない」という構図になっていて、それが「願うこと」と「願いを叶えた後どうなるか」を描くにあたりすごくマッチしてるのが上手い!すごい!と思いました。
 本編では魔法少女の設定が衝撃的で斬新で、かつループの回数や各ループでなにが起きたのか、つい意識がそっちに行ってしまうことが多かったですが、それでも各女の子たちが「なにを願い、願った結果どんな代償を払ったか」を中心に本編は描かれていた。「他人の幸せを祈った結果どうなったかが」が描かれていたのに、視聴者側も「みんな幸せになってくれよぉーーーー!!!」と願わずにはいられなくなる構成になっていたのがすごい秀逸だなと思いました。12話しかないのにあの設定とループと魔法少女物を融合させて完結させるってどういうことだってばよ。

 あと、今回まどマギを見るにあたって1番失敗したな、と思たののは「私のループ物に対する観賞の姿勢」でした。私は「ループ物」や「並行世界設定」に少し苦手意識があるのですが、「私の理解力だと1周目見ただけじゃ沢山の伏線を拾ったり話のロジックは理解しきれないだろうから、とりあえず最後まで見て設定と結末を加味して2周目見よう」となってしまい、初見の集中力が半分くらいになってしまうのです…。「ループ物は事件の起こりも解決も結構なんでもありなイメージがあるし最初は気軽に見よう。」とか「見る側のループ物に対する知識がしっかりないと振り落とされるのでは?」と身構えてしまったのは勿体なかったなぁ~と思いました。
 実際物語の軸になってるのはループや設定ではなく、基本は「魔法少女になり真実を知ったほむらがなにを想いなにを願ってループを続けていたか」で「魔法少女の真実を知ってそれでもまどがはなにを願い魔法少女になるか」だったと思いました。設定についてはキュゥべえがペラペラしゃべった内容と、ループについてはほむらの説明と伏線回収の10話の1回があれば大体の答えは出そろっていたと感じたので、ループ物でもかなりシンプルに分かりやすくまとめてくれていたと思いました。

 なのに私はループ物への先入観から、視聴中は「ループ物として『ループを断ち切る最後の世界線』が重要なのはわかるけどの、そのシナリオの為に肝心の本編で描かれるまどかの疎外感強すぎないか~?」とか「これだとほむらがやってきたことをまどかは一生知れないまま…。」とか「宇宙のエネルギーの話は分からんけど設定の筋は通ったし完全い理解した(理解してない」といった感じで、結構最後の方までモヤモヤを抱えて見てましたよ。えぇ。
 でも最終的には、まどかは最後ギリギリまで「魔法少女と魔女になってしまった大勢の少女たちを知ること」と「普通の女の子」であることが重要なんだなとなんとかく分かったし、まどかがあの祈りと願いを叶えるにはやはりほむらはループして因果律?を集約しなきゃいけなかったし、最後にこれまでのほむらの行いをまどかが認識できたし、宇宙の話も「大量に消費されてるエネルギーを補充するために大きな感情を発生させエネルギーにする」って所さえ分かってればなんとかなったなと、気になってた点が最終話で大体解消されたのは「おぉ~!」とすごい感動しました。結果的にかなり分かりやすく構成させていたと思ったので、「これは難しい話かな?」と諦めるのがちょっと早すぎました。反省。


 まぁ、でもやっぱり虚淵玄シナリオの生々しさとエグみは苦手な部類だなと思いました!はい!未成年の子どもに幸せになれる壺を売りつけて不当な契約をするよ⇒宇宙規模の借金を人生と命と魂を懸けさせ返済させるよ⇒君たちが願った結果で代償なんだから因果応報だよ⇒なにが不満なんだよ世間知らずのおこちゃま共が、みたいな胸糞悪さを常に感じてたのでキツかったですね。宇宙にはクーリングオフなんてサービスはない。なんという魔法少女ヤクザ。
 さやかに関しても、「最後も筋が通ってたので納得。むしろ徹底したのは好感が持てる。命は救われなかったけど祈りは報われたのだ。」と思う自分と「ど゙゙ゔ゙゙じ゙゙で゙゙(拳銃を構えながら」と思う自分が殺し合いしてますし。杏子のそもそも生い立ちからあまりにヘビーすぎるし。まどかのお陰で魔女化という悲劇は無くなったけど魔法少女になるにはやっぱり魂を抜いてるっぽいし魔獣との戦いは命懸けだし100%の悲劇が70%の悲劇になったくらいなのでは?魔法少女物ではあるけど上手くいかない現実というものが凝縮されてました。大勢の未成年の子どもを利用して維持される宇宙とか1度滅んで良いのでは???みたいな気持ちになりましたわ。
 まぁ、意外にもキュゥべえにはそこまで憎悪はなかったんですけど。始終「こわ…」「うぇ」って感じでしたが。「宇宙外生命体でしかも感情が無いならいともたやすく行われるえげつない行為くらいするだろうな」とは思ったので。でもまぁ拳銃持ってたら見かけ次第撃ち殺すでしょうけど。憎しみはないけど見たら殺す。黒光りするアイツの様に容赦なく殺す。

 

 全体を通して見て、肌に合う合わないはありますが文句なしに名作だと思いました。ループ物への先入観の所為で衝撃と感動が半減してしまったー!と後悔はしたものの、もしリアタイしてたら、3話で脱落して続きを見るのは5年後とかに多分なってましたね。なので、結果的には今一気に見れて良かったなと思ってます。


 ここからは蛇足ですが、創作してると「生い立ちが重く暗い登場人物が大量発生しがち」なのですが、その中でも「なに不自由なく家族にも友達にも環境にも恵まれ精神が滅茶苦茶健全に育った人物にしかできないこと」を考えるの好きです。あの家族の中で、特にあの母親に強く影響されて育ったからこそ「普通の女の子」だけど最後にあの「祈り」と「願い」に至れるという説得力があったので、作中で1番好きなキャラはまどか母だったりします。ちなみに魔法少女では杏子が1番好きです。
 あと、2周目を見ながらこの文章書いてるのですが、OPのまどかはループする前の1番最初の世界のまどかなのかな?と思いました。最強の魔法少女から遠そうな日常風景とか、最初は猫を助ける為に魔法少女になったのかなぁ~とか思いました。

 

 そんな感じで、『魔法少女まどか☆マギカ』の感想終わります。

 

 【王道】のインプットとして、残りの『ソードアートオンライン』も楽しみですが、「『好き』『面白かった』以外の感想が浮かばなかったら感想ブログは省略かな!」とか思ってたりします。はい。

 

noz