【小説家になろう】秋焦ガレル旅人【短編読み切り】
須々木です。
少し涼しくなってきたなあ・・・と思っていたら、ええええ!!?という勢いで一気に秋になりましたね。
最近の秋は生き急ぐ傾向があるように思うので、油断したらもう冬ですよ。
というわけで、先日のRWミーティングでは、「秋」をテーマに作品をつくろうじゃないかということになりました。
季節感は大事ですよね。
事前に制作してきて、当日はそれらについて意見交換しました。
基本は一人2作品ということだったので、僕は、短編小説と3DCGをつくりました。
今回は、その短編小説の方について。
以下、内容に触れていこうと思うので、できるだけ、先に小説を読んで欲しいです。。
全部読んでも10分かからないと思うので。
http://ncode.syosetu.com/n0465cy/
今回は、お題が出てから提出まで2週間弱、しかも2作品ということを考え、とにかくサクッとつくろうというのが基本方針でした。
小説に限りませんが、僕は基本的には、他の人と被らず、過去作品と比べて何かしらの新しさを感じてもらえるような作品をつくろうと思っているので、それも踏まえて考えるわけですが・・・
これが中々思いつかない。
お題が「秋っぽいもの」だけで、逆にやりにくいっていう。
ギャグとかラブコメとかも一瞬考えたものの、どう考えても秋っぽいのは厳しかったので却下。
ミステリー的なのも考えたけど、短編にしにくいので却下。
そこで、今回は、遊木@代表(療養中)が漫画とかシナリオ系はつくらないと踏んで、ちょっと雰囲気押しのやつにしようかと。
普段は、遊木がこの傾向に偏っているので、意図的に避けてましたが、ここぞとばかりにやってみるのもアリかと。
そんな経緯があって今回のやつを書きましたが、伏線を考える必要もほぼないようなやつなので、実際にサクッと数時間で行けました。
ちょっと内容にも触れていきましょう。(ネタバレあるよ!)
メインの登場人物は二人。
作中では、「旅人」と「茶屋の人」と書かれている二人です。
読めば分かる通り、「旅人」は、時間に追われ効率を求める現代人を象徴しています。
彼が持っていて、やたら気にしている「手帳」は、「スマホ」ということです。
「茶屋の人」は、性別未設定のちょっと不思議な雰囲気の人です。
「茶屋の人」が、秋を探しているという「旅人」を案内するというのがメインの話ですが、どんなに案内しても、旅人は秋を見つけられないというオチです。
雰囲気系の話にしようと思ってから、「秋」と言えば・・・とアレコレ考えたわけですが――
「紅葉の秋」「食欲の秋」「運動の秋」「芸術の秋」「読書の秋」など、いろいろ挙げられますが、改めて眺めてみると、どれも物凄く人間的だなあと思ったんですよね。
でも、逆の言い方をすれば、生きていく上で絶対的に必要不可欠とも言い難いものだったりします。
よって、作中でも言及されていますが、「秋を失う」というのは、「表面的に無駄と思えるものを排除した」となるわけです。
「効率を追求」→「無駄なものカット」→「人間的、文化的なものが消えていく」→「秋が消えていく」という感じの連想ゲームです。
なので、明らかに現代ではなく、しかもちょっと現実っぽくない世界観でありながら、読んだ人は妙なリアリティーを感じて、それなりにドキッとしてくれたんじゃないかと思います(そうなってもらえたら、してやったり)。
たぶん「旅人」のことを案じたんじゃなくて、「自分は大丈夫か?」と心配になって。
「旅人」が言う通り、世界から秋が消えていたのかと言うと、相当怪しい。
「旅人」は、明らかに秋めいている「秋が残ると言われる集落」に行ってもまったく秋を感じなかったし、そもそも、その前の時点、街道沿いの茶屋の周りも十分秋めいています。
ススキの野原にアキアカネが飛んでいれば、これはもう十分秋でしょう。
そこでお茶でも飲んで一息ついて景色を眺めていれば、その時点で「秋」は見つかっていたことでしょう。
つまり、全ては見る人次第ということです。
「秋が残ると言われる集落」は、秋を満喫できる人たちがいると言うだけで、別にそこに「秋」っていう何かがあるわけじゃありません。
そこのところを、「旅人」は結局理解することはできないし、「茶屋の人」も理解させようとはしない。
「茶屋の人」は、実際に連れて回るだけで、理解させることは無理だと感じると、静かに皮肉をこぼすくらいしかできない。
だからどうしたと言えば、それで終わってしまうような短編ですが、こんなことを考えて書いた作品でした。
スッキリとした読後感はないと思いますが、秋の夜長に静かなスパイスを与えられたら幸いです。
ちなみに、「茶屋の人」は、一回だけ名前が出てきます。
集落の老婆が呼びかけましたが、「チューユ」というやつです。
これは、中国語の「秋」(チュー/チイユ)からとってます。
つまり、「秋を見に来た」と言った旅人は、最初から「秋」を見ているということになります。
ただ気付かなかっただけで。
たぶんみんな気付かなかったと思いますが。
sho
少し涼しくなってきたなあ・・・と思っていたら、ええええ!!?という勢いで一気に秋になりましたね。
最近の秋は生き急ぐ傾向があるように思うので、油断したらもう冬ですよ。
というわけで、先日のRWミーティングでは、「秋」をテーマに作品をつくろうじゃないかということになりました。
季節感は大事ですよね。
事前に制作してきて、当日はそれらについて意見交換しました。
基本は一人2作品ということだったので、僕は、短編小説と3DCGをつくりました。
今回は、その短編小説の方について。
以下、内容に触れていこうと思うので、できるだけ、先に小説を読んで欲しいです。。
全部読んでも10分かからないと思うので。
http://ncode.syosetu.com/n0465cy/
今回は、お題が出てから提出まで2週間弱、しかも2作品ということを考え、とにかくサクッとつくろうというのが基本方針でした。
小説に限りませんが、僕は基本的には、他の人と被らず、過去作品と比べて何かしらの新しさを感じてもらえるような作品をつくろうと思っているので、それも踏まえて考えるわけですが・・・
これが中々思いつかない。
お題が「秋っぽいもの」だけで、逆にやりにくいっていう。
ギャグとかラブコメとかも一瞬考えたものの、どう考えても秋っぽいのは厳しかったので却下。
ミステリー的なのも考えたけど、短編にしにくいので却下。
そこで、今回は、遊木@代表(療養中)が漫画とかシナリオ系はつくらないと踏んで、ちょっと雰囲気押しのやつにしようかと。
普段は、遊木がこの傾向に偏っているので、意図的に避けてましたが、ここぞとばかりにやってみるのもアリかと。
そんな経緯があって今回のやつを書きましたが、伏線を考える必要もほぼないようなやつなので、実際にサクッと数時間で行けました。
ちょっと内容にも触れていきましょう。(ネタバレあるよ!)
メインの登場人物は二人。
作中では、「旅人」と「茶屋の人」と書かれている二人です。
読めば分かる通り、「旅人」は、時間に追われ効率を求める現代人を象徴しています。
彼が持っていて、やたら気にしている「手帳」は、「スマホ」ということです。
「茶屋の人」は、性別未設定のちょっと不思議な雰囲気の人です。
「茶屋の人」が、秋を探しているという「旅人」を案内するというのがメインの話ですが、どんなに案内しても、旅人は秋を見つけられないというオチです。
雰囲気系の話にしようと思ってから、「秋」と言えば・・・とアレコレ考えたわけですが――
「紅葉の秋」「食欲の秋」「運動の秋」「芸術の秋」「読書の秋」など、いろいろ挙げられますが、改めて眺めてみると、どれも物凄く人間的だなあと思ったんですよね。
でも、逆の言い方をすれば、生きていく上で絶対的に必要不可欠とも言い難いものだったりします。
よって、作中でも言及されていますが、「秋を失う」というのは、「表面的に無駄と思えるものを排除した」となるわけです。
「効率を追求」→「無駄なものカット」→「人間的、文化的なものが消えていく」→「秋が消えていく」という感じの連想ゲームです。
なので、明らかに現代ではなく、しかもちょっと現実っぽくない世界観でありながら、読んだ人は妙なリアリティーを感じて、それなりにドキッとしてくれたんじゃないかと思います(そうなってもらえたら、してやったり)。
たぶん「旅人」のことを案じたんじゃなくて、「自分は大丈夫か?」と心配になって。
「旅人」が言う通り、世界から秋が消えていたのかと言うと、相当怪しい。
「旅人」は、明らかに秋めいている「秋が残ると言われる集落」に行ってもまったく秋を感じなかったし、そもそも、その前の時点、街道沿いの茶屋の周りも十分秋めいています。
ススキの野原にアキアカネが飛んでいれば、これはもう十分秋でしょう。
そこでお茶でも飲んで一息ついて景色を眺めていれば、その時点で「秋」は見つかっていたことでしょう。
つまり、全ては見る人次第ということです。
「秋が残ると言われる集落」は、秋を満喫できる人たちがいると言うだけで、別にそこに「秋」っていう何かがあるわけじゃありません。
そこのところを、「旅人」は結局理解することはできないし、「茶屋の人」も理解させようとはしない。
「茶屋の人」は、実際に連れて回るだけで、理解させることは無理だと感じると、静かに皮肉をこぼすくらいしかできない。
だからどうしたと言えば、それで終わってしまうような短編ですが、こんなことを考えて書いた作品でした。
スッキリとした読後感はないと思いますが、秋の夜長に静かなスパイスを与えられたら幸いです。
ちなみに、「茶屋の人」は、一回だけ名前が出てきます。
集落の老婆が呼びかけましたが、「チューユ」というやつです。
これは、中国語の「秋」(チュー/チイユ)からとってます。
つまり、「秋を見に来た」と言った旅人は、最初から「秋」を見ているということになります。
ただ気付かなかっただけで。
たぶんみんな気付かなかったと思いますが。
sho