東京野良猫 -14ページ目
たった5年前のことなのに上京した日のこ
とは覚えていない
新幹線乗り場まで両親が見送りにきてくれ
たのだろうと思うが全く思い出せない
海外へ飛び立つ前日のことは鮮明に覚えて
いる
あの時は父親が庭で炭を使ってサンマを焼
いてくれた
海外で暮らしたら当分食べれないだろうと
焼いてくれた
翌日空港まで見送りに来てくれたことも覚
えている
東京へ行くことを決心してからは大して私
自身大きな出来事のようには思っていなか
ったのかもしれない
住居が決まったこともあり楽しいワクワク
が先行して漠然とした不安は奥底に押し込
まれたのかもしれない
おそらく家族とはこんな会話をしたのだろ
うと思う
行ってきますいつでも帰っておいでね

