この黒猫は、長い間私を魅了して来た。
私のファッションの一時代を築いたと言っても過言では無い。
先週末、一枚のハガキが届き、私は泣きそうになった。
長い間、通い続けたお気に入りのショップが閉店するとの事。
その店は秋葉原から歩いて10分程の所にある。
秋葉原と言うと、あの「オタクの聖地」とか「世界一の電気街」とかが思い浮かぶと思うけど、場所は電気街とは反対側の佐久間町と言う所。
なぜかそこにLe salon de minouはあった。
元々ヤマトドレスという会社のオリジナルブランド*yanganyの直営店だった。
yanganyの服はセレクトショップなどに置いてあり、百貨店やショッピングモールなどに出店していない為、直営店はここだけだった。
取扱い店舗が少ないので、私の様に遠方からわざわざ足を運ぶ人も少なく無かったと思う。
出会ったのはティアンと言うセレクトショップ。白地に黒猫の刺繍が全体に施されたスカートが最初で、それからどんどんハマって行った。
上品さと他に無いデザイン、形。
色も柄もとにかく大好きで、特にお店のシンボルとなっている「のび猫」と名の付いた黒猫の刺繍シリーズが一番のお気に入りだった。
服が許してくれる限り、入れば購入していた。
yanganyの服の一部。黒猫の刺繍のチュニックワンピやお揃いの柄のバッグ
季節毎に出るカタログも楽しみだった。
ちょっと高くてもわざわざ買いに行く価値が有る服だった。
ショップに行くと、柔らかい空気のスタッフさんと猫の話や趣味の話でひととき過ごし、それも楽しみのひとつだった。
ところが、2年ほど前から路線変更し、カタログも一変、黒猫の服も小物も作らなくなり、私にとっては「ツマラナイ服」ばかりで「トキメク服」は無くなってしまった…
だから、ここ1年くらいショップから足が遠のいてしまっていた。
そして今日訪ねるのも、もう最後になる。
久し振りにスタッフのハセガワさんと会って、猫の話や近況、閉店の淋しさを語り合い、お店の前で記念撮影した。
「私はまだここにいますので、浅草橋や上野の美術館に来た時は、またお立ち寄り下さいね」とハセガワさんは言ってくれた。
そして大好きな「のび猫」のブローチを渡されました。
本当にホントに淋しいけど、さよならLe salon de minou。素敵なお店でした。
ちなみにお店が閉店するだけでyanganyの服はネットや全国の取扱店で購入出来ます。