小さな一歩が時間を動かす―外周十二環「第五環・始動」
心の中で何かを決めても、それだけでは現実は変わらない。
電話をかける。
会いに行く。
一行を書き始める。
今までと違う行動を、ひとつ起こしてみる。
第五環「始動」は、選択したものが現実の中で動き始める時間である。
始動という言葉には、大きな決断や華々しい出発を思い浮かべるかもしれない。
けれど、本当の始まりは、案外小さなものだ。
誰にも気づかれない一歩。
昨日まで先延ばしにしていたことへ、今日初めて手を伸ばす。
その小さな違いが、時間の流れを変えていく。
第五環は、六宮「和」と響き合う。
何かを始めるとき、自分の思いだけでは進めないことがある。
人との関係。
暮らしとの釣り合い。
心と身体の状態。
さまざまなものと調和しながら、現実に合う動き方を見つけなければならない。
和とは、何もかも同じにすることではない。
違うもの同士が、それぞれの位置を保ちながら結ばれることである。
始動の時期には、勢いも必要だろう。
しかし、勢いだけで周囲を置き去りにすれば、長くは続かない。
自分の思いと現実を、どう結び合わせていくか。
その最初の調整も、始動の中に含まれている。
動き出したから、初めて見えるものがある。
歩き始めたから、次の一歩が分かる。
第五環は、考えていた時間を、生きる時間へ変える環なのだと思う。
次回は、始めたものへ少しずつ形を与える、第六環「形成」について書いていこうと思う。
九宮神託術
創始 福松寿央