体重はあっという間にもとに戻っていった。
体重が増えることにより、もう苦しまなくていい、以前の自分に戻れると、どこかほっとした。
それでも、もとの体重を越えると、大丈夫かなという気持ちにはなった。
少し食べ過ぎたかなと思った翌日にはたくさん歩いたり、体が重く感じる時には食事をやや少なめにするなどして調節した。
もっと痩せたいという気持ちはもうなかったが、なんだかんだで、体重が戻った後も3年くらいは体重のことが意識にはあって、増減を気にしながら生活していたと思う。
私が「体重計の数字」に振り回されなくなったのは、別のことに意識が完全に向いた時からである。
それは、痩せることや太ることに目を向けるのではなく、「健康であることが一番好ましい」ということに気づき、健康的な体作りのためにスポーツジムに通うようになったこと。
とはいえ、自分は、元々スポーツ好きな方ではない。
ジム自体も最初は行くのに抵抗があった。
始めは、やさしめのエアロビに参加したり、マシーンジムなどで自分のペースで筋力をつけ、その後はアクアビクス(水中エアロビ)にはまっていった。
アクアビクスは、全身に負荷をかける有酸素運動で、インストラクターの真似をしながら、音楽に合わせて自分のペースで楽しみながらできたので、その後も長く続いた。
ほとんど人のいない夜のプールで泳ぐのも、日常を忘れられて、もうそのまま仰向けに水に浮いた状態で眠りたくなってしまうくらいリラックスできた。
スポーツジムに行き始めたころは、体重が一気に数キロ増えたが、それ以降は少しぐらいたくさん食べても太らなくなった。
夜も熟睡できたり、免疫力が高まり、体の調子もすこぶる良くなった。
あとは、健康を意識した際、パンよりお米を中心とした食事の方が、精神的にも安定することに気付いた。
それでも、もともとパンが好きだったので、朝はパンで昼は時々パン、夜はほぼ毎日ご飯…というように、好きな物は我慢せず無理のないように食生活を見直した。
パン食の割合が減ってくると、和食(タンパク質やビタミンなどバランスよく摂れる食事)の方が、体も脳も満足度が高くなることを実感できた。
心の枯渇感がなくなり、その後、夢中になれるものが見つかったこと。
そして、食生活を見直し、それらをストレスなく実践できたことが、摂食障害からの回復につながったのだと思う。
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あれから20年ぐらい経ちますが、その後、拒食症になることはなく、現在に到ります。
(ここ最近は、子供に関する悩みが多く、食べ物に関してはかなり適当です。。。)
(次で最後です)