大学生のころ、摂食障害を患ったことがある。


そもそものきっかけは単純で、短期に増えすぎてしまった体重を、元に戻そうとしたのがことのはじまり。


20歳の時、アメリカに留学した際、最初の2ヶ月で8㎏太ってしまった。(何も考えず、解放感から朝から暴飲暴食を続けていた)

日本から持って行った服がすぐに着られなくなった。

そんな中、学食でたまたまソフトクリームを食べていた時に、「彼女を太らせろ」とクラスメイトの男子学生にからかわれ、そう言われたことがかなり気になってしまった。


自己嫌悪を通り越し、これはまずい!と本気で思うようになった。

とりあえず、日本に帰る時には来た時と同じぐらいの体重になるようにしようと思ったのだが、決めたことは必ずやり遂げる…という生真面目な性格が禍して、思わぬ方向にエスカレートしてしまった。


中学、高校を通して、知らず知らずのうちに自分を限界まで追い込んでしまう癖がついてしまっていた。

若い頃に、「ほどほど」を知り、上手に気を抜ける人生をおくれていたらどんなに良かったか。

大人になってようやく、苦しい時に「逃げる」という選択肢もあることを初めて学んだ。


アメリカでの生活は約1年。

その後、学食での食事をやめて自炊にし、帰国の3ヶ月前には、来た時よりも体重が少なくなっていた。


(つづく)