これは同性同士の恋愛を妄想したものです。それでもOKな方は下へスクロール。
ちゃんと向き合えば良かった。
そしたらお前を失わずに済んだのに。
「綾部が好きやねん」
そう言われた時、とっさに言ってしまった。
《気持ち悪い》と。
あれから二人で居ると、いたたまれない。
崇が間に入ってくれる。
唯一、俺の話を聞いてくれた。
と言うか崇にしか話せなかった。
「あれ〜まったん風邪〜?」
「違うと思う…けど」
「熱あると思うよ。おでこ触るね」
「触るな!」
俺は気がつくと立ち上がって叫んでいた。
又吉と崇が驚いて俺を見ていた。
「じゃあ言うけど祐さんに、まったんの世話できるの?できないでしょ?」
「わりー崇、又吉頼むわ」
楽屋を出る。
やべー何であんな事。
自分でも分からなかった。
崇が楽屋から出てきた。
「まったん、すごい熱だよ。休ませた方がいいよ。マネージャーさんに言って」
「ごめんな、さっき」
「いいよ。気にしないで。それより、まったんだよ」
そうだった。
あいつ熱が。
「俺が面倒みるから」
「できるの?大丈夫?」
「心配すんな、大丈夫だ。たぶん」
自信はないけど、やるしかない。
マネージャーに又吉の病状を伝えて了承を得た。
又吉を連れて楽屋を出る。
「ごめんな。綾部」
「いいから」
「バイク?」
「おう。ちゃんと掴まれよ」
又吉を俺の部屋に連れていった。
又吉の新しい部屋を知らない。
だから俺の部屋。
寝室に促すが又吉は拒否した。
女を連れ込んだベット。
それが嫌なようだった。
仕方なくソファーに寝かせる。
体、痛くなるだろうに。
氷枕を差し込む。
薬を飲ませる。
俺にできるのは、これくらいだ。
あとは回復を待つしかない。
ふいに又吉の頭をなでる。
こんなに痩せて。
俺のせいかな?
胸が切なくなった。
まだ熱い、おでこにキスする。
何で、こんな事してるんだろ?
でも、俺はコイツの気持ちに答えられないのに。
自分勝手だ。
分かっている。
ごめん、と思いながらその場から離れる。
俺は自分勝手で弱虫だ。
この手に掴めるはずのお前を。
怖くて手が出せない。
こんなに近くにいるのに。
近すぎる。
だから離れるしかないんだ。
許してと何度もお前に祈る。
口には出せないけど。