いつか優しい未来~運命の鎖25 | 「山あり谷あり笑いあり」らんのblog

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「そんな時が何百年も続いていた、永遠に続くと思って皆は諦めていた。
その頃、世界中に戦争が拡大し、戦禍は激しく なっていた。
一族はその現状にやっと気付き、逃げ出すのは今しかないと、見張りの目を盗み城を抜け出し海を越えた。
そして放浪のはてに、やっとこの地にたどり着いたんだ。」

ケイルの話を聞いていた広人が、

「そんな思いをしてこの国に、この村に辿り着いたなんて…それが真実なのか…。
じゃあもしかして、君達は今もまだその呪いの言葉に縛られたままなのか。」

と聞いた。 ケイルはしばらく黙り、静かに言った。

「ああ逃れられない、この血の続く限り…俺達は人にはなれない…俺達は…俺は、吸血鬼…化け物なんだから。」

広人は思いもよらない言葉に、ただただ驚いた。

「きゅ…吸血鬼…」

広人は動揺のせいで、視線が定まらずにいた。 そんな広人にケイルは、

「空想なんかじゃない、これは現実だ…俺達は人の血を食事とし、100年以上生きて、未来を見ることが出来る。
その力のおかげで、この村で住んでいられたんだ。」

と言った。そして

「クロード…」

と黒沢を呼んだ。 静かに、黒沢が表れた。

「はい、ケイルさま。」

広人は驚いて

「きみは、たしか平岩さんの…」

黒沢は広人に会釈をし

「わたくしの主は、今も昔もケイルさまだけで す。」

と言った。驚き息を飲む広人に、ケイルは

「広人…今すぐ彼女達3人を連れて、この家から出るんだ。逃げ道はクロードが教える。」

混乱している広人に、ケイルは続けて話した。

「それと、もう一つの質問、君を見てみんなが驚いたその答えは、きみの持っている写真集にある…。」

広人は驚いて思わず

「え、写真集?」

と聞いた。

「そう、この城の写真を撮った写真家、天野新一郎…君がその彼にソックリだったからだ。」

広人は、食い入るように写真集を見ていた結を思い出した。

俺が似ている…この家の写真を撮った天野新一郎に。だから、皆驚いていたのか…。広人は聞いた。

「その人は、天野新一郎はいま何処にいるんですか?」

ケイルは目を伏せて

「彼は…新一郎はもうここにはいない…彼は殺された、いや俺が殺したも同然だ。」

と言った。
広人はあまりの衝撃に、ただ立ち尽くすだけだった。ケイルは続けて、

「新一郎は、この国で…今生まれてはじめて出来た友達だった…なのに、その彼を俺は助ける事が出来なかった…。見殺しにしてしまった。」

と言った。そして、広人を見て

「その新一郎の姪が…麻衣子さんなんだ。」

と言った。
広人はその言葉に、驚きと共にやっと全てのピースが揃ったような気がした。

だからか…俺があまりにもおじさんにそっくりだったから、麻衣子さんはあんなに驚いていたのか…。

やっと事態を納得した広人にケイルが、

「彼女…麻衣子さんは、新一郎の行方を知るためにここまでやって来たんだ。
でも、新一郎はもう…生きてはいない。
たのむ、彼女に伝えてくれないか…残酷だけど新一郎は死んだと、そんな新一郎の代わりに、ここから逃げ出し生きてほしいと。」

その言葉に広人は力強く

「分かった、かならず伝えるだから……生きろ…。」

と言い、ケイルを見た。

「そうだな…」

と、ケイルは悲しく微笑んだ。

「諦めたら終わりだ、諦めるなよ。」

と言い、広人は黒沢と共に部屋を出ていった。

「君だから頼むんだ…新一郎にそっくりの君だから、彼女たちを頼む。」

ケイルが呟いた。