「李々子ちゃん、こんにちは」
不意に呼ばれて、李々子が振り返ると爽やかオーラ出しまくりの颯也が。
「ああ、えっと確か八神さん?」
颯也はポカンとした。
「八尾颯也だよ、忘れたの?この間店に来たときも、八幡さんとか間違えたしもう颯也でいいよ。」
と言うと、李々子は真っ赤になって
「あっそうでした。私、名前と顔を一致させるのが苦手で気にさわったらごめんなさい。永塚君の時もはじめのうちは間違ってたし。」
と言った。またもや意外な対応に颯也は
まだ永塚君呼び止まりなのか
と安心していた。
「あのさ、李々子ちゃん今度の日曜日って暇?2人でどっか行かない。」
と、颯也がキラキラした笑顔で言うと、李々子はキョトンとして
「今度の日曜日?今度の日曜日は仕事になってて、また今度みんなで行きましょう。」
「そっか、仕事かぁじゃあ仕方ないな。でもどうして皆なの?二人で良いんだけど。」
「え?何でってみんなで行った方が楽しいじゃないですか、せっかくなんだし。」
この子分かってない?それとも誤魔化してる?
颯也は平静を装い
「分かった皆でいこう。じゃあ休みとか聞きたいし、予定が決まったら連絡するから李々子ちゃんのアドレスを教えて、この前聞けなかったから。」
と言われ、李々子は
「まあ、それなら」
と言い、アドレス交換をした。颯也は優しく笑い
「後で必ずメールするから、じゃあまたね。」
と言い去っていった。それを見ていた松岡は
リーコさんが、アドレスをアドレスを教えてた。俺なんか半年かかって、仕事の連絡網で教えてもらったのに
と、放心状態で奥へ入っていった。
そんな松岡とは正反対に、ニコニコしながら颯也が巧馬のところにやって来て
「よう」
と声をかけた。
「八尾さん、また来てたんですか?なんか良いことでもありました?」
「さっき李々子ちゃんのメールアドレスGETしたから。」
チカッと目の奥がいたくなる巧馬。
「何でそれを俺に言うんですか?」
「お前が聞いたからだろ、なんか良いことあったのかって。」
「そうですけど」
「ふーん、そうそうまだ巧馬は永塚君呼びなんだな安心したよ。」
「どういう意味ですか?」
「俺グイグイ行くから、覚悟しろ」
といい店を出て行った。
「なんなんだ、あれって牽制?」
しばらくすると
「永塚~休憩いっちゃって。」
と、無線から聞こえてきたので、巧馬が休憩室に向かうと李々子がうなだれていた。
また、チカッと目の奥がいたくなる
「またか」
巧馬が呟いた。そんな巧馬に李々子が
「あ、永塚君お疲れさん。そうそう八尾さん?て人から、今度皆で遊びにいこうって誘われたよ、メールするって言ってた。」
と言った。一瞬の間のあと、巧馬は冷蔵庫からジュースを二本取り出し、一本の蓋を開けて李々子に渡した。
「はい」
「ありがとう」
巧馬は自分のジュースの蓋を開けながら
「それって、本当は2人でいきたいって言われたんでしょ。」
と言った。その言葉に李々子が
「なんで分かったの、そうなんだけど2人では無理だな。」
と言うと、ほっとした笑顔になった巧馬が
「リーコさん至近距離接近恐怖症だし、特に男性になれるまで時間かかるから皆でがいいと思う。」
と言った。その言葉に李々子は目を見開いた。
「ちょっと、やっぱりなんでその病名知ってるの、私たしか言ってないよね。」
驚いた表情の李々子に言われ、巧馬は口ごもったあと
「松岡さん雄大さんに聞いたから。それに、学会では発表されてるんですよ知りませんでしたか?」
とごまかした
「そうなんだ、永塚君ってまさか医者の卵?」
と李々子が聞くと一瞬きょとんとした巧馬は
いっ医者の卵って
「今から医学部に転部する気はないですよ。」
「そっか、実はその病名を始めに付けてくれたの仲の良かった後輩なの。」
「それってこの間お泊まりした時に教えてくれた後輩?」
「あの時言ってたの?」
巧馬が少し意地悪そうに
「うん他にもいっぱい、お泊まり楽しかったな」
「お泊まりって言うな」
「でも、そのお陰でリーコさんの事、色々分かったんだよ。」
と言うと
「恥ずかしいから忘れなさい」
と李々子は机に突っ伏した。
「忘れない…でも分かりました。」
そう言い、李々子の頭を撫で去っていった。
いっ今のなに
不意打ちに戸惑う李々子だった。