授業が終わり店についた巧馬は、松岡と売り場に出ていた。
遠巻きに見ていた女子高生たちは、2人を見て色めき立っていた。
それをレジから見ていた美緒が
「あ~もう目をつけられちゃいましたね。リーコさん気を抜かないように頑張ってください。」
「何が?」
「リーコさんニブッ」
「ちょっと何なの?」
「もう良いです」
「何怒ってんのよ」
「怒ってませんてば」
「怒ってるって」
と美緒と言い合っている李々子を巧馬はちらりと見て、この間の事を思い出した。
合コンの帰り、電車のなかで寝入ってしまった李々子。肩にもたれる李々子の髪を思いがけず撫でていた。
なっ何やってんだ俺。あっもうすぐつく
「リーコさんそろそろ着くよ。起きて帰るよ。」
すると、突然李々子が飛び起きて
「え?つくの?じゃあ家飲みしよう」
と言い、巧馬の腕をつかみ電車から降りた。
帰り道のコンビニにより、かごを巧馬に持たせ
「梅酒に~果汁に~おつまみに~こんなもんかな」
と言いながらかごに入れ、李々子は外に出てしまった。巧馬は急いで支払いをすませ李々子を追いかけた。
「さ、入って入って遠慮しないの、いつも来てるでしょ。」
「いや初めてだから。」
といいながら上がる巧馬。
明らかに李々子は巧馬を誰かと間違っているようだった。李々子は懐かしそうに巧馬をみて
「やっぱね~嘘だと思ったんだ死んだなんて、ちゃんと生きてんじゃん。」
「え?」
「あ、ちょっと待ってて」
と言い、アルバムを取り出した。そしてページを開いて指差し
「ほらこれ懐かしいでしょ吹奏楽部の写真。この頃はさ、部活終わってもなかなか帰らなくて先生に早く帰りなさいってしょっちゅう怒られてたよね。」
「うっうん」
「ねえ、なんであの日一緒に帰ろうって約束してたのに、先輩の私を置いて先に帰っちゃったの?何で何でなの」
「リーコさん」
みつめあうふたり。不意に糸がきれ李々子は眠ってしまった。
あーあ寝てるよ
巧馬はアルバムを見ていると、不意に涙がほほを伝った。
「ああ、俺はここを知ってる」
巧馬は李々子をベッドに運び布団をかけて去ろうとしたとき、何かにシャツを引っ張られてた。見ると李々子がガッツリとシャツをつかんでいる。
巧馬が仕方なくそっと李々子の横に入ると、李々子が抱きついてきた。
なんて幸せそうな寝顔なんだろ
気が付くと巧馬も眠りに落ちていた。
「永塚君?永塚君?」
と、松岡に呼ばれ巧馬は我にかえった。
「大丈夫?永塚君。」
「ああ大丈夫です。」
「そう?」
松岡は思いきって
「あのさ永塚君、この間リーコさんと…いやいいんだやっぱり気にしないで!」
「この間って、合コンの事ですか?」
「やっぱり合コンかあ。いや、いいんだ気にしないで。えっとじゃあバックグランドにいこうか。」
「あの日は何もなかったですよ」
「え、何もなかった?」
「今のところは。」
「だよねリーコさんにかぎって…今のところ?」
「はい今のところは、まだ始まったばかりなんでまぁおいおい」
「え?おいおい」
「おいおい」
「…」
驚く松岡をおいてバックヤードに去っていった
もしかして、とんでもないライバル出現
ひきつりながら、松岡もバックヤードに去っていった