二条院「はじめまして、いや…お久しぶりです」
ま「…え…智夫さん?」
二条院「はい、お久しぶりです」
ま「…智夫さん、智夫さんも自分の時間に戻れたんですね。…でも、久しぶりって…ついさっき一緒に帰ってきたんですよね」
二条院「そうか、真樹さんはついさっきなんですね…なるほどだから、その服なんですね。」
ま「あああ…これはその…」
二階堂「でも、そのおかげで、すぐわかりました。」
た「すごいカッコですよね…。」
二階堂「俺も同じでしたよ。浦島太郎状態でした。まあ、10年前ですけどね」
ま「え?10年前」
二条院「そうなんです、あのとき真樹さんは、70年後の未来から来たって言ってましたよね」
ま「はい…確かに」
二条院「自分は60年後の未来から…その時、戻る時間が違うんだなと思ったんです」
ま「60年後の未来が、智夫さんの戻るべき場所だった…」
二条院「それに、向こうに5年もいたのにこっちでは半年くらいで。でも、心配した両親は捜索願いを出していて、思いっきりシバかれましたけどね」
ま「…それは…なんと言いますか…」
二条院「本当に、時間の感覚って不思議ですよね」
ま「そうですね…それぞれの時間から、呼ばれたような…不思議ですね。でも、どうしてここに私がいるって」
鞄から古びたチラシをだす
二条院「これを、防空壕で真樹さんが落としたのを拾ったんです」
受けとる真樹
ま「これ、この講演のチラシ…」
二条院「はい、そのチラシのおかげで、紀夫とも会うことが出来たんです。ありがとうございました」
ま「そんな、私はなにも…」
二条院「あの日、突然真っ暗になって…気が付いたらもとの世界に戻っていました。…でも、ずっと気になっていたんです、あのあと皆がどうなったのか。そうしたら、このチラシが出てきて…なんか、これは運命なのかなって」
ま「そうだったんですか…なんて不思議なつながりなんでしょうね。」
複雑な顔をする真樹
二条院「真樹さん?」
ま「…ごめんなさい、私まだ気持ちが追い付いてなくて…ここにいるのが信じられないって言うか、まだ夢の中みたいで…」
二条院「そうですよね、さっき帰ってきたばかりなんですもんね」
ま「それに…智夫さん、私ウメさんの孫なんです」
二条院「はい」
ま「キイちゃんは、母なんです」
二条院「はい、そうですね」
ま「…知ってたんですか?」
二条院「気になっていたので、みんなのその後をわかる範囲で調べさせてもらいました。それに今日の講演に来ることにしてから、いろんな事がつながったんですよ」
ま「いろんな事?」
二条院「自分だけ誰とも、なんのつながりもないと思ってたんですけど…聞きたいですか?」
ま「…は、はい」
二条院「驚かないでくださいね」
ま「はい…」
二条院「祖父の名前…旧姓、国枝と言います」
ま「…」
言葉を失う

二条院「本当に、不思議な縁ですよね…祖父は終戦後仏門に入り、小さなお寺の住職になりました。そして、戦争孤児の母を引き取って育てたんです。厳しいけど、あたたかい人だったようです。本当に、国枝さんらしいですよね」
ま「国枝さんが…お元気なんですか?」
二条院「祖父は、17年前になくなりました。…分かっていたら、もっと話しとくんだったな」
ま「うちもです、2年前に祖母はなくなってて…もう少し生きていてくれたら…」
二条院「そうですね…今になって思うんです、あの時代があったからこそ、今の平和があるんだって。」
ま「…」
二条院「あの時代を否定することは簡単です。でも、皆が必死でこの国や家族を守ろうとしていた事、もがきながら生きて、苦しんでもなお諦めずにいた事、それは事実で…その人達のおかげで、今を生きていられるんだなって」
ま「そうですね…選んだ道が、結果として間違っていたとしても、ああ生きるしか出来なかった人達の、あの時代に生きた人達のいろんな思い。…そして、もう二度と、あの時代には戻らない、戦争はしたくないという思い。そんな、沢山の思いに生かされている…これって奇跡なんでしょうね」
二条院「奇跡か…そうですね。だからこそ、語り継いでいかなくてはいけない。目をそむけたくなる事実にも、逃げずに立ち向かい、沢山の悲しみや苦しみ、怒りや無念と後悔の思い、それらすべてを忘れないように語り継いでいく…」
ま「そう、語り継いでいく…私にも、何か出来る事ありますか?」
二条院「真樹さん、出来ることはたくさんありますよ。まずは、一緒に紀夫に会いに行きませんか?」
ま「…はい、紀夫君に会いに行きましょう…あ、いやいや、この服では…それに母さんが…」
二条院「メールしといたらどうですか?あと、服装は…当時の衣装を、今日のために着てみたとか…」
歩きだす二人、立ち止まる二条院
二条院「そうだ、肝心なことを言い忘れてた…真樹さん、あの時代で出逢ってくれてありがとう」
ま「え?そんな、こちらこそ今の時代に生きていてくれて…ありがとう。」
ま「え?10年前」
二条院「そうなんです、あのとき真樹さんは、70年後の未来から来たって言ってましたよね」
ま「はい…確かに」
二条院「自分は60年後の未来から…その時、戻る時間が違うんだなと思ったんです」
ま「60年後の未来が、智夫さんの戻るべき場所だった…」
二条院「それに、向こうに5年もいたのにこっちでは半年くらいで。でも、心配した両親は捜索願いを出していて、思いっきりシバかれましたけどね」
ま「…それは…なんと言いますか…」
二条院「本当に、時間の感覚って不思議ですよね」
ま「そうですね…それぞれの時間から、呼ばれたような…不思議ですね。でも、どうしてここに私がいるって」
鞄から古びたチラシをだす
二条院「これを、防空壕で真樹さんが落としたのを拾ったんです」
受けとる真樹
ま「これ、この講演のチラシ…」
二条院「はい、そのチラシのおかげで、紀夫とも会うことが出来たんです。ありがとうございました」
ま「そんな、私はなにも…」
二条院「あの日、突然真っ暗になって…気が付いたらもとの世界に戻っていました。…でも、ずっと気になっていたんです、あのあと皆がどうなったのか。そうしたら、このチラシが出てきて…なんか、これは運命なのかなって」
ま「そうだったんですか…なんて不思議なつながりなんでしょうね。」
複雑な顔をする真樹
二条院「真樹さん?」
ま「…ごめんなさい、私まだ気持ちが追い付いてなくて…ここにいるのが信じられないって言うか、まだ夢の中みたいで…」
二条院「そうですよね、さっき帰ってきたばかりなんですもんね」
ま「それに…智夫さん、私ウメさんの孫なんです」
二条院「はい」
ま「キイちゃんは、母なんです」
二条院「はい、そうですね」
ま「…知ってたんですか?」
二条院「気になっていたので、みんなのその後をわかる範囲で調べさせてもらいました。それに今日の講演に来ることにしてから、いろんな事がつながったんですよ」
ま「いろんな事?」
二条院「自分だけ誰とも、なんのつながりもないと思ってたんですけど…聞きたいですか?」
ま「…は、はい」
二条院「驚かないでくださいね」
ま「はい…」
二条院「祖父の名前…旧姓、国枝と言います」
ま「…」
言葉を失う

二条院「本当に、不思議な縁ですよね…祖父は終戦後仏門に入り、小さなお寺の住職になりました。そして、戦争孤児の母を引き取って育てたんです。厳しいけど、あたたかい人だったようです。本当に、国枝さんらしいですよね」
ま「国枝さんが…お元気なんですか?」
二条院「祖父は、17年前になくなりました。…分かっていたら、もっと話しとくんだったな」
ま「うちもです、2年前に祖母はなくなってて…もう少し生きていてくれたら…」
二条院「そうですね…今になって思うんです、あの時代があったからこそ、今の平和があるんだって。」
ま「…」
二条院「あの時代を否定することは簡単です。でも、皆が必死でこの国や家族を守ろうとしていた事、もがきながら生きて、苦しんでもなお諦めずにいた事、それは事実で…その人達のおかげで、今を生きていられるんだなって」
ま「そうですね…選んだ道が、結果として間違っていたとしても、ああ生きるしか出来なかった人達の、あの時代に生きた人達のいろんな思い。…そして、もう二度と、あの時代には戻らない、戦争はしたくないという思い。そんな、沢山の思いに生かされている…これって奇跡なんでしょうね」
二条院「奇跡か…そうですね。だからこそ、語り継いでいかなくてはいけない。目をそむけたくなる事実にも、逃げずに立ち向かい、沢山の悲しみや苦しみ、怒りや無念と後悔の思い、それらすべてを忘れないように語り継いでいく…」
ま「そう、語り継いでいく…私にも、何か出来る事ありますか?」
二条院「真樹さん、出来ることはたくさんありますよ。まずは、一緒に紀夫に会いに行きませんか?」
ま「…はい、紀夫君に会いに行きましょう…あ、いやいや、この服では…それに母さんが…」
二条院「メールしといたらどうですか?あと、服装は…当時の衣装を、今日のために着てみたとか…」
ま「なるほど…貸衣装ってことですね。」
二階堂「そんな感じです…じゃあ、行きましょうか」
ま「はい、行きましょう❗️」
ま「はい、行きましょう❗️」
歩きだす二人、立ち止まる二条院
二条院「そうだ、肝心なことを言い忘れてた…真樹さん、あの時代で出逢ってくれてありがとう」
ま「え?そんな、こちらこそ今の時代に生きていてくれて…ありがとう。」