認知症につながるその他の疾患

・ビタミンB12欠乏症などの「代謝性疾患」
→ビタミンB12が欠乏する事で「記憶障害」、「妄想」、「無気力」、「集中力の低下」、「錯乱」など胃ガンや胃潰瘍で胃の切除手術を受けた人にビタミンB12欠乏が見られます。また、小腸の病気で栄養の吸収に障害がある場合にも起こります。治療はビタミンB12を補給します。

・甲状腺機能低下症なでの「内分泌疾患」
→甲状腺分泌ホルモンが不足して体の活動力が低下してしまいます。
「集中力低下」、「傾眠」、「うつ病」等。
血液検査で甲状腺ホルモン量を調べる。
治療は薬によって甲状腺ホルモンを補給します。

・髄液が過剰に溜まって脳を圧迫する「突発性正常圧水頭症」
→脳脊髄液の流れや吸収が阻害される事で、脳脊髄液が脳室に溜まり、脳室が拡大して脳が圧迫される病気。
「歩行障害」、「認知機能障害」、「尿失禁」等、思考が緩慢になったり、新しい事が覚えられなくなったりします。
早期診断により手術を受ける事が出来る可能性もあります。

・脳の損傷が広範囲に及ぶ「頭部損傷」
→転倒や交通事故などで頭部を強打した事により脳に損傷を受ける事があります。脳の損傷には「脳挫傷」、「びまん性軸索損傷」、「くも膜下出血」などのタイプがあり、単独で発生したり、併発したりします。頭部外傷では、直後から「意識障害」が起こったり、後遺症として認知機能障害や意欲低下、「衝動性」などの精神症状が生じたりします。




認知症とは

認知症の定義は、「認知機能が後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障を来した状態」とされています。


原因となる病気

1.アルツハイマー病
→脳の神経細胞が障害され、脳が萎縮。

2.血管性認知症
→脳の血管が詰まったり、破れて出血したりして神経細胞が障害される。

3.レビー小体型認知症(パーキンソンと仲間)
→レビー小体(αシヌクレインというたんぱくが主な成分)が溜まり細胞が死滅する。

4.パーキンソン病を伴う認知症
→脳内の神経伝達物質である「ドパミン」が減少する。

5.前頭側頭型認知症
→前頭葉や側頭葉が萎縮する前頭側頭葉変性症。

6.感染症や代謝性の病気などが認知症につながる事もあります。しかし、認知症の原因疾患には「突発性正常水頭症」や「慢性硬膜下血腫」など、治療すれば認知症の症状が治ることがあるものもあります。早めに受診して原因を確認する事が大切です。


記憶についての分類

・即時記憶(60秒まで)
・近時記憶(数分後まで覚えているが、さっきまでの記憶がない)
・遠隔記憶(昔の事)

※アルツハイマーの場合、主に近時記憶が失われやすい。


認知症と加齢による記憶の違い

認知症の場合
・体験全体を忘れる
・新しい出来事を記憶できない
・ヒントで思い出せない
・物忘れに対して自覚がない
・日常生活に支障がある


加齢の場合
・体験の一部を忘れる
・時間や場所など見当がつく
・ヒントを与えられると思い出せる
・物忘れに対して自覚がある
・日常生活に支障はない