◎観察◎

要点…全身状態を観察する事で、症状や状態の変化を把握し、早期の処置・対応につなげる。

注意したいポイント…いつもに比べて

眼…眼の輝き(きらきらしている、どろんとしている)、充血、涙、目やに、まぶたのむくみ、羞明(非常にまぶしく感じる状態)。

耳…聴力、耳だれ、耳垢、耳鳴り、痛み。

口…唇の乾燥、口臭、舌苔(舌に苔が生えたように見える)、口内炎、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色に変化した状態。口唇などで観察される)。

鼻…嗅覚の状態、鼻づまり、乾燥、くしゃみ。

表情…苦痛、不快、不安そうな表情、顔色。

食欲…食事量、嗜好の変化。

のど…痛み、発赤(赤みを帯びる事)、白い斑点、扁桃腺の腫脹、咳、痰、嚥下困難(飲み込み、むせる、つかえる)。

皮膚…発赤、蒼白(血の気がなく青ざめている)、黄疸(皮膚や粘膜が黄色味を帯びている事)、腫れ、発疹、痒み、傷、むくみ、乾燥、色、つや、弾力。

排泄…便と尿の回数、量、性状(下痢、便秘、色、におい、出血、混入物など)

睡眠…不眠、傾眠(軽い刺激で目覚めるが、しばらくするとすぐに眠る)、熟睡度。

姿勢や歩き方…痛みをかばうような姿勢、足の変形、ひきつり、つまずき、ふらつき。

言語…舌の動き、どもり、喚語困難(言葉が口をついて出ない)。

その他…体重の増減、体温、脈拍、呼吸、血圧、嘔気、嘔吐、痛み、意識の程度、精神状態。

※上記の内容を日々観察し、見逃さない事。



介護のポイント

①体の変化を高齢者は、漠然とした不調として訴える事が多い。特に長期にわたり病気している方は、具合が相当悪くなるまで訴えない人もいる。

②介護者は、日常からよく状態を観察し、できるだけ早く異常を発見するよう努める。

③日常の変化をとらえ、気がついた事は医師に伝える事が大切である。



認知症の介護

・病気としての認知症の特性と、人としての思いを理解して介護することが大切。

・認知症の人の思いを知り、適切に対応する事で和らげる事が大事(しかし、対応の仕方に正解はない)。


・認知症のBPSD(周辺症状) 妄想、徘徊、うつ症状、不安等

暴言、暴力
→認知症の人も思ったようにコミュニケーションが取れないとイライラします。そして、何かのきっかけで怒りが爆発して暴言を吐いたり、暴力を振るってしまいます。周囲の人の不用意な言葉や態度がきっかけとなっている事も多い。どのような時に暴言、暴力に発展したかスタッフが情報を収集し、分析、対応の仕方を改善していきます。暴力がひどい場合は、介護者や本人のけがを回避する為、また暴力が原因で施設から退所を迫られる場合もありますので、医師と相談し、薬物療法が必要になる事もあります。


介護拒否
→着替え、入浴、おむつ替えなど、身体に触れる介護については特に気配り、心配りが必要となります。触られる事の意味が分からず、介護を拒否してしまいます。声をかけ、笑顔で相手の顔を見て、安心してもらった上で、介護を進めるよう心がけます。


異食
→食べ物ではないものを口にする事を言います(ティッシュペーパー、花、石鹸、土など)。本人は食べ物だと思って口に入れているので、頭ごなしに叱るのはよくありません。ただ、危険なものについては、身の回りに置かないようにしましょう(刃物、硬貨、薬、硬いものなど)。異食については、症状が進行しているサインでもあります。


失禁
→認知症が進むと、尿意や便意が失われ、尿失禁、便失禁が起こります。トイレの場所が分からなくなったり、ズボンを下ろすなどの排泄に関わる行為が間に合わなくなって漏らしてしまう事もあります。"どのような時、どのような素振りで尿意や便意を感じているか"をよく観察し、排泄のパターンを把握しておきます。


おむつを外す
→おむつをしていることに対して、本人はとても恥ずかしく思っています。おむつを替えるときには、排泄については触れず、特別な事ではないという態度で手早く行いましょう。おむつに違和感を感じたり、排泄物が不快な為に外す場合もあります。


入浴を嫌がる
→清潔の概念が失われる事に加えて、着衣のない無防備な姿になりたくないという心理の表れなのかもしれません。入浴を嫌がるようなら、入浴にこだわらず、清潔を保つ事を心がけましょう