20日。お彼岸で前から母にお墓参りに行くよと伝えておいたけど、きっと忘れてしまっているよね。

それでも、なるべく母には話をしようと、このところ食も以前と比べたら細くなり、足も少し弱くなって来たかなと感じる姿に、残された時は多くないと思う今日この頃…。


菩提寺までは私の足でも少しあるので、今までは普通に歩いた母には少ししんどいだろうと、ずっと前に母のために買って置いた車椅子を出してみた。

丈夫だった母の異変を感じて、通院や緊急時に必要かなと心配性の私は車椅子を購入した。
以来、足腰の丈夫な母には必要がなく、部屋の隅にしまって置いた。

風もなく穏やかな午前中。
父が眠る菩提寺へ。

昨夜から仕込んで置いた餅米。
きなことあんこのおはぎを用意して。
もちろん、ルイと13年前に産まれてすぐ旅立ってしまった孫娘の仏前にもお供えして。

お墓に作ってきたおはぎを備えると、母はにこやかに"偉い偉い"と子供に言うように私に言った。
母に褒められたのは何年ぶりだろう☺️


まだまだ自分の足でお寺の中を歩く母を見て、お寺の奥さん達が"お母さん、歩くの早いですね"と感心された。😅

帰りは少し遠回りをして、蕾が膨らみだした桜や川面を眺めながら車椅子を押して、母の問いかけに頷きながら帰ってきた。

毎週通い続けては通院や訪問者の相手でなかなかゆっくり母と会話をする時間もないので、墓参りも無事済んで、少し心に余裕ができたせいか、母の歩調に合わせて歩いてあげようと思った日だった。


家に帰り、デイサービスの連絡ノートに目を通すと、普段施設で使っている靴を持参しなかったと書かれていた。
家の中を探してもいつもの靴袋が見当たらない。

母に聞いてみると、送迎の車の中に忘れてしまったと言う。
このところ物忘れや思い違いが多くなっていて、
私も兄も母の思い違いだろうと思い込んでしまった。

今までもあれがなくなった、これを忘れたということはよくあって、施設側でも母の思い違いだろうと受け流されることも多かった。

でも、今回はなんだか母の言ってることに、もしかしたらと気になって施設側に探してもらえるかと電話をしてみた。

私も兄も少し強い口調で母に問い詰めてしまったことが私は気になっていた。

そして帰宅して夕方、施設から母の靴が車の中にあったと連絡がありました。

母の記憶に間違いがなかったという嬉しさと、母を責めてしまった自分が申し訳なくて、すぐに実家にそのことを連絡した。

耳も遠くなった母に電話でそのことを説明することは難しく、靴が見つかったことだけ兄に伝えてもらった。

来週、母にちゃんと謝らなくちゃ。

"お母さん。ゴメンね。お母さんの言った通りだったね" って。

普通に会話ができるし日常生活は自分で何でも出来るけれど、物忘れも多くなった母の気持ちをないがしろにしていた自分の愚かさに、母にすまないと思った1日だった。