新月の夜 | 緑のアロマ 青い波音

緑のアロマ 青い波音

日常と拙い詩、他愛のない話、情景の切り取り

夢を見る


深く深く沈む

深い漆黒


*


目を醒ます夜中

やはり目覚めても辺りは闇で

そっと布団を抜け出し縁側に出る

空には星が

慰めのように光ってた


寝汗に濡れた頬に張り付く髪を払い、思いに沈む

この奥底で蠢くような、ねっとりと重いものはなんだ

払い切れない焦燥といらだち

ごまかせているだろうか

屈託なく笑う彼らを見るたび、感じる後ろめたさを

いつからだろう

何故歴史を守る?

何故変えてはいけない?

小さな疑問は、皆抱えてる筈なのに

どんどん膨らんでく

審神者として新たに得た主を、疎むわけじゃない

けれど過去の時間が蝕むのだ

涙が伝う

こんな思いでいる自分はこの本丸に、相応しいのか

いっそ、すべて切り伏せ無にしてしまえば


心にある黒い思いは大きくて

星の光りなど、届きはしない


もう、

ここにはいられない


*


ひと振りの刀が消えた


誰も最初からいなかったかのように、片付いた部屋


部屋の真中に守り袋がひとつ



それだけ