胸に届くのは傷の跡ばかり
爪が抉るほどに
鼓動が涙を流して
虚ろな色を奏でて歌う
鮮やかに舞う
香りの中で緑を遠くに
爪を染めて視線奪ってく
薄闇に夢を描けば
煌めいて
鼓動泣きやまずに
蔓が指先さぐり
抱きしめるから
流れた涙が糧ならば
遠い残像瞳に隠せ
爪が抉るほどに
てのひら染めて
一寸先知らぬ心が笑った
巻きつく蔓のたおやかに
棘の描く絵を