『神聖少年図鑑』

第ニ章・天野さん


少年→少年→少女という

一方通行の恋を書いています。

 

 






2・天野さん


「音流の名前の由来はね、
カンパネルラなの。
ママの大好きな『銀河鉄道の夜』って
いう小説に出てくる
友達思いの優しい男の子。



同級生を助けるために
命を投げ出してしまうのよ。
なかなかできることじゃないわ」
 ママの声が聞こえてきて
授業に集中できない。



開け放たれた窓から
柔らかい風が入ってきて、
耳の辺りをフワッと通り抜けていく。



カンパネルラが大好きなママは
私が八歳の時、
横断歩道のない道路を渡っていた
お婆さんを庇って車に轢かれた。



そのまま二週間くらい
生死の境を彷徨ったけど、
結局目を覚まさなかった。



お婆さんも助からなかった。
パパは冷たくなった
傷だらけのママに縋り付いて
泣き叫んでいた。



馬鹿野郎! 
何無駄死にしてんだよ! 
無駄死にだよ! 
なんなんだよこれ!



 ママはいつも私に言ってた。
音流、いつだって困っている人に
手を差し伸べられる人間でいてね。



本当の幸せは他人との関わりの中に
生まれるの。
個人的な愛じゃダメよ。
あなたはきっと
無辺際の愛に気づける。
私の娘だもの──。



無駄死にって何? 
じゃあ、パパは目の前で車に
轢かれそうになっているお婆さんを
他人事のように見ていられたの? 



ママがやったことは
馬鹿野郎って咎められるような
ことなの? きっと、ママは何も考えず、
体が先に動いていたんだと思うよ。
ママはすごいんだよ。
ママは偉いんだよ。



もしかしたらあの時、
私の中にママが入り込んじゃった
のかもしれない。



時々、心の中でパパに謝っている自分に
気づくことがある。
まだ起きてもいないことを、
私はすでに起きたことのように
感じていて、あらかじめ
謝罪しているのだ。



ごめん、パパ。
私もきっとママと同じことを
すると思う。
一人にすることになったら、
ごめん。





 【続きます】






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