『神聖少年図鑑』

第ニ章・天野さん


少年→少年→少女という

一方通行の恋を書いています。

 

 






2・天野さん


「金井くんも少しは反論すれば
いいのにね。あの人、
クラスメイトと喋ったら
自爆でもしちゃうのかな」
「え?」
 茉莉奈の声に、私は我に返る。



「だからさ、金井くん。
あそこまで強固なバリケード
張り巡らす必要ある? 
津島たちはいいように金井くんを
パシってるように見えるけどさ。
私、感じちゃうんだよね、
津島たちの緊張感」



「ああ、分かるかも」
 金井くんの放つ空気には
独特のものがある。



心臓の持病があって、
色々と制限のある生活を
強いられているというのも
多少関係していると思うけど、



憂いと悲哀と拒絶が一緒くたに
なったような空気感は、
こちらに安易に近づいては
いけないと警告している
ようにも感じられた。



それは巡り巡って君たちを
守ることにもなるんだよ……と、
あの唇は一言も言ってないけど、
きっとそういうこと。



壊してしまったら、
その責任は誰にも取れない。



「ねえ、茉莉奈。津島たちが
言ってたこと、どう思う?」
 私は思い切って尋ねてみた。



茉莉奈はおっとりしている
ように見えるけど、
意外と冷静に周りを見渡している。
私の中にあるモヤっとしたものを
うまく言語化してくれるかもしれない。



「どうって、金井くんが広瀬を
好きかもしれないってこと? 
それとも、広瀬が女じゃ
勃たないってこと?」



「ちょっと……。
そういうあからさまな言い方やめて」
「言わせたくせに」
「言わせてない!」



「どうなんだろうね。
女を片っ端から振ってるって
のは事実じゃん。
二組の丸山さん泣いてたもんね。
音琉ちゃんも見たでしょ。



あの美人の丸山さんだよ。
あれで二組の女子が
広瀬の敵に回ったってのは
確かだし、あれで男子が
広瀬の性癖に疑いを
持ったのも確か。



中野さんが勝ち誇った顔してるのも
見たけどさ、告白したとて
丸山さんの二の舞だと
思うんだよ私は。
となると──。
やっぱり信憑性ありか」



「信憑性って?」
「だから。津島たちが言ってた
やつ。つまり、金井くんと──」
 ゴニョゴニョゴニョ、
と語尾を誤魔化して、
茉莉奈は含み笑いを浮かべた。







 【続きます】







ピンタレストの方も開設しました。

今後、画像でショートショート

みたいなものも表現していく

予定です。

ぜひぜひ覗いてみて

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