病弱な高校生少年と級友の友情を描いた物語です。憧れが羨望になり嫉妬になり、やがて愛情へと変わってゆく思春期の繊細な心の揺らぎを連載でお届けしたいと思います!
悲しいかな僕は誰とも馴染めず、
中学から引き続き一人を謳歌するという
味気ない日々を生きることとなった。
バカな広瀬。
僕に声なんてかけなけりゃ
良かったんだ。
不足が常態化してるって
麻痺してるってことじゃない。
ずっと不安の渦中にいるってことだ。
張り裂けそうになる限界ギリギリの
何かが体の奥の方に沈んでいて、
それが何かの拍子に浮上してきて
破裂する危険を孕(はら)んで
いるってことだ。
それを、広瀬は分かっていない。
安易に差し伸べた同情が
執着として返ってくるなんて、
考えもしなかったんだろう。
全てそろっていて、収まりきらずに
あふれていて、
何も持っていない空っぽの僕は
そのおこぼれにすがりたくて、
舌を出しながらあいつの周りを
徘徊しているのだ。
僕があいつだったら良かったのに。
羨望と嫉妬と憎悪。
愛情と愛情と愛情。
これは、僕が僕へと向ける
偉大なる自己愛。
夢の中で、僕はあいつで、
夢想の中でもあいつで、
現実でもあいつでなければ
ならないのに、そこには
アイデンティティという
擁壁があって、並の努力じゃ
乗り越えられない。
だから、この学校で唯一の
コミュニケーション相手であるあいつを
失いたくない僕は、
何も気にしてないって顔で
過ごさなきゃならなかった。
けど、すべてが不慣れなのだ。
分からないことばかり。
人間関係も友達関係も、
いつも肝心なところで間違える。
【続きます】
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