病弱な高校生少年と級友の友情を描いた物語です。憧れが羨望になり嫉妬になり、やがて愛情へと変わってゆく思春期の繊細な心の揺らぎを連載でお届けしたいと思います!

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

「頭に草付いてるよ」

「ああ、うん……」

髪に触れられ、僕は委縮する。

文字通り。萎縮。

どうもこの男とはうまく喋れない。

 

 

 

 

「ほら」

とご丁寧にもちぎれたクローバーの

一枚を差し出され、いったい僕は

これをどうすればいいんだろう。

 

 

 

 

ありがとう、大事にするよって?

なんなんだろう、この全てのリズムが

ちょっとずつずれていくような気まずさ。

 

 

 

 

最後まで行ったらお互いに

会話の前後があべこべになって、

僕はこいつになって、白い歯を

覗かせながら言うんだろうか。

もう体育終わったよって。

 

 

 

 

「あのさ、金井ってさ──」

並んで校舎に向かいながら、

図鑑の最初のページを華々しく飾る

模範人類、広瀬は僕を見た。

 

 

 

 

「ずっと気になってたんだけどさ、

俺のこと見過ぎじゃない?」

 

 

 

 

思いもかけない言葉に心臓が止まりかける。

唇がバカみたいに震え出す。

「じ、自意識……」

平静を装うが、明らかに声がギシギシしてる。

 

 

 

 

「何?」

「自意識過剰じゃない?」

穏やかならざる間。

「うわっ。そういう返し?」

広瀬は大袈裟に眉をしかめ、

額に手を当てた。

 

 

 

 

僕がやったら具合が悪いと思われて

途端に周りがソワソワし出すやつ。

 

 

 

 

「だって、僕は別に、見てないから」

「いや、見てる。絶対見てるよ。

更衣室でも、なんかチラチラと何度もさ。

 

 

 

 

なあ金井。俺が気付いてるってことは

他の連中も気づいてるかもしれないからな。

まじでさ、誤解されるからやめろよ」

 

 

 

 

「だから、見てないって」

明日からどうやって生きていけばいい?

僕は今この瞬間、とんでもないレッテル

貼りをされたようだ。

 

 

 

 

要するに変態。

でも、変態認定したやつにこんなふうに

声なんてかけてくるだろうか。

 

 

 

 

僕だったら絶対に関わらないようにする。

でも、それって相手を対等かそれ以上と

思っている場合に限るよな。

 

 

 

 

何か、策を凝らさないと勝てないような

気がするから関わらないという選択をする。

 

 

 

 

じゃあ声をかけてくる場合は?

どうとでもあしらえるってことか。

 

 

 

 

自分より劣っているから。

弱いから。

その気になればやっつけることも

できるから。

 

 

 

 

じゃあ、広瀬の中で、僕はまごうかたなき

変態弱者ってことか。

泣けてくる。

 

 

 

 

 

【続きます】

 

 

 

 

 

 

 

 

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