俺には姉がいる。
実の姉ではない。
かと言って義理の姉でもない。
血の繋がりはない、ただ存在としての姉がいる。
それくらい分かりあえる心の友としての、頼れる存在の姉と慕う人がいる。
10才近く歳は離れているが、まるでずーっと前から知り合いだったかのように何でも話せる相手。
しかし、去年体調を崩しだして、姉からのアドバイスに耳を傾けれず。
というか、そんな余裕がなく、精神的に潰れてしまった。
そして、それから音信不通であった。
あるSNSでは繋がっているので相手が何をしてるか、どんな状況か見れはする。
元気にママをしているなぁ・・・という印象だった。
精神的に落ち込んでからまともにSNSにも足を踏み入れてなかったのもあり、
姉がどうしてるのか細かいことまでは知らない。
俺はSNSを更新していない。
なので、半年以上お互いの近況を知らない存在なのだ。
そして、病状がよくなってきたのでパートで仕事をし始めた昨日電話がなった。
姉からだった。
一度目は短めの呼び出しベルで、電話に出たのに切れてしまった。
「きっと相手を間違えてあけてきたのだろう・・・」
とっさにそう思った。
これだけの期間、連絡を取らず、ケンカ別れのように去年連絡をお互い取ることをやめた。
そんな姉が連絡してくるわけがない、そう思ったのだ。
しかしまた2度めのベルがなった。
すぐ出ると、今度は姉の声が向こうから聞こえてきた。
「元気ぃ?」
何事もなかったかのように会話が始まり、
気付けば夜中3時まで6時間近く話していた。
この間の俺の心情を聞いてもらったり、去年までの俺を観ていた姉からの客観的な感想も聞き、
不安発作とパニックを併発しそうになり、フラッシュバックをしながら電話していた。
俺はこの姉に愛されている。
そう実感した。
こんなにも俺の根底を肯定してくれて、話をちゃんと聞いてくれる。
こんな人他にはいない。
そして全てを話して気付いた、心の中の苦しい気持ちが軽くなっていることを。
姉は人生経験の分だけ、俺の常軌を逸した行動言動はおかしいと思っていたらしい。
けど、今は聞く耳を持ってないと諦め、俺を突き放すような態度で観ていた。
その理由も聞けて、俺は過去の自分がどうしてそうだったのか振り返り、フラッシュバックで過呼吸というか不安発作というか、パニックを起こしそうになり、慌てて薬を飲んだ。
その位、深い話をしてしまった。
この人との話は心を洗い流す。
この姉をとってもありがたい存在だと思い、家族よりも大事に思っている。