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「あれは?」
海の向こうに無数の光が見えてきた。
「街…なのかな?」
「そうですよ、私達の住まう街です」
「いつの間に!?」
突然の返事に焦る。
「そんなに驚かなくても、ふふっ」
いつもどおりシルヴィは微笑みながら話しかけてくる。
そう言ってる間に街に着き、3人の少女達は船から降りていった。
「なにしてんのー、早く行くよ、お兄ちゃん」
「あ、ああ今行くよ」
急いで船から降り、3人の後を小走りで追う。
この街は地球のいったい何処なんだろう?
「この街に住んでいる人達は、だいたいが悪い人達なので気をつけてくださいね」
「そう…なんですか」
確かに怖そうな人達が街を歩いてる。
苦笑いをしながら3人の後ろをただただついていく。
街を出て少し歩いたところで。
「ここですよ」
シルヴィが指差したのは綺麗な建物だった、でも明かりが少なく薄暗くて気味が悪い…
「今日から忠勝の家です」
「住みません」
「あら、では外で寝ます?夜は冷えるし、物騒ですよ?」
シルヴィはニコニコしながら言う。
「住みます…」
それしか言えないことをわかっていてこの人はニコニコと…悪魔だな、本当に。
「はぁ」っと静かに溜め息をつきながら家に入る。
「ここが今日から忠勝の部屋です。自由に使ってくれて構いませんので」
俺の部屋は玄関から入ってすぐの部屋だった。
はい、と返事をしてその部屋を後にする。
その隣の部屋はユリアの部屋だ、説明されなくてもわかった。
扉に大きくユリアって書いてあったからだ。
2人の部屋の前の廊下をまたいだところにお風呂とトイレと洗面台があった。
廊下を抜けるとリビングがあり、その横にも部屋があった。
「ここは私の部屋です、勝手に入らないでくださいね」
「入りませんよ、ところでエリーの部屋はないんですか?」
「私はリビングで寝るから必要ないのだ」
エリーが自慢げに言う。
なんかすっかり、俺はここに住むみたいになっちゃってるけど大丈夫なのか?
てか日本に帰りたい…
でもそう言うと勝手にどうぞとか言われるし…
まぁ運よく1人暮らしだったため、親にはバレてないはずだから、ひとまず安心だ。
その日はなんか凄い疲れたのでお風呂も入らずにすぐ寝てしまった。
連れてこられた場所はこの船の運転室。
そこにいたのは・・・
「子供?」
船を動かしていたのは、中学生くらいの歳の子供だった。
「失礼ね、私は立派な大人よ」
不機嫌そうに俺に言ってくる。
「ごめん」
「別にいいけど、お兄ちゃん」
その少女はニコッと笑う。
「お、お兄ちゃん?って俺の事!?」
「他に誰もいないでしょー」
少女は、さも当然かのように言ってくる。
「そう思うと自己紹介がまだでしたね、私の名前はシルヴィです、よろしくね。忠勝くん」
「よろしくお願いします・・・ってどうして俺の名前を?」
「パスポートを見せてもらったので」
なるほどと思い、運転席に座る小さい少女の方を見る。
「私はエリザ、エリーって呼んでくれていいよ、皆そう呼ぶし」
「わかったよ」
そういうとエリーは船の操縦にもどった。
あと1人はどこだろう?
シルヴィは俺の考えを察したかのようにもう1人は船の甲板にいると教えてくれた。
早速俺は甲板に向かう。
そこには1人の少女が立っていた。
じぃっと海を見つめている。
風が吹き、青色の髪がなびく、青い海の上で、青い空の下で。
声をかけようと思った時。
「なにを見てるんだ?」
強い口調で聞いてきた。
「その、挨拶をしようと思って」
そう言うと少女はこちらを向き。
「ユリアーナだ、ユリアでいいぞ」
そう言ってユリアは船の中にもどっていった。
甲板から見る海と空はすごくきれいだ。
でもそれと同時に吸い込まれそうで少し恐怖した。
それからどれだけの時間をそこで過ごしただろう、とっくに日は沈み風も冷たくなっていた。
