一心不乱に走ってきたから、立ち止まれなかった。立ち止まると進めなくなる気がして。幸せが逃げて行く気がして。
相変わらず、努力をした。私にはそれしかないから。
でも、努力だけではどうしようもないことは沢山ある。当然、それはわかっていた。
体調はますます悪くなり、体と頭が悲鳴をあげる。それでもだましだまし、やって来た。
あーあ。なんだかなぁ。何でこの世に鬱病、躁鬱病なんかあるんだろう。
薬が効かなくなってきた。精神科医の健ちゃんと今後について2時間話し合ったけれど、平行線のまま。
健ちゃんに言われた。「無理して、自分を追い込んだら、また自殺に走るよ。一平ちゃんはそういう人なんだから」
痛かった。健ちゃんにそこまで言わせてしまって…。
健ちゃんは「とにかく、仕事のことは、はしばらく考えないで休息を取ること。なるべく早く」
準備室がまた一ヶ月しか経っていないのに。
「一平ちゃん。一平ちゃんにはまだまだ、チャンスはいくらでもある。でも、命 落としたら終わりだよ。一平ちゃんには生きてて欲しいんだよ。ずっと、ずっと。また、早朝野球やりたいんだよ。一緒にさあ。一人の医師として、一友人として言う。仕事はストップだ」
健ちゃんの言葉を咀嚼しながら職場のことや家族、友人、知人の顔を思い浮かべていた。
考えてみるといつの間にか、こんなにも「繋がり」が出来ていたんだ…。
25歳の時に切って捨てたはずだったのに…。
自分が止まることで何かがまた動き出す。
そう信じてみようと思う。周りのひとたちを信じてみようと思う。
最近のうちの奥さんはニコニコしながら涙がポロポロ。
「何いってんだ。裕ちゃんがいたから頑張れた」
「裕ちゃん、これからもよろしくね。ますます大変になるだろうからさ」
裕ちゃんはニコニコ、涙ポロポロだったけど「承知しました」とおどけた。
そして二人顔を見合わせて大笑いした。
裕ちゃんとの絆は深い。改めて。
やっていける。建ちゃんの指示通り。
希望は消えた訳じゃない。ゆっくりしついる間に本でも書くかな…。
第二の人生は幕を引く。