続き

 

 

魔法と共に剣を携える国、フレラン王国

 

優しく、活気あふれる街を見つめ

気高くそびえ立つ城

 

その城内、2階・倉庫...

 

現、フレラン王の娘ロチュス

その従者レファン

 

乱れていた呼吸は落ち着きを取り戻し、

険しくなっていた表情は普段の優しさと凛々しさに戻った。

 

「...だいぶ落ち着いてきましたね。」

レファンさんが一口飲んだカップを受け取りながら、声をかける。

 

「はい...おかげさまで落ち着きました、ありがとうございます。...お見苦しい所を見せてしまいましたね...。」

フッと苦笑する。

 

 

「失礼ですが、足...ですよね?」

 

「ええ、医師に処方して頂いておりますが、たまに切れることがありまして...。

なんとかお嬢様には、この姿は見せたくはありませんので...。」

左足を摩りながら話す...。

 

そうだよね、辛い所を見せたくないよね...。

なにか杖とか...

と言いそうになったが止めた。

その為に私がいるんだ、頑張らないと!

レファンさんが辛い思いをして動かなくてもいいように...。

安心して治せるように。

 

「レファンさんは、少し休んでいてください。私が代わりにします、教えてください!」

 

「...サラ」

レファンさんは、少し目を見開いて驚いた。

 

「...ありがとうございます。ではまず、申し訳ないのですが...私を自室まで連れて行っていただけませんか?」

 

「かしこまりました!」

 

手に持っているカップをテーブルの上に置いて、レファンさんの後ろにまわり

左腕を上げて入り込んで、右手をレファンさんの背中当てる...。

 

「ゆっくり立ちましょう...よいしょっ」

彼の身体を支えながら、重心を少し自分の方に傾ける。

 

そしてゆっくりと部屋から出る。

ここは2階、従者の部屋は4階。

 

すぐ左ある魔法のエレベーターに左手で触れる...。

先ほども反応しなかったことを思い出し、どうしようかと思ったが、

すぐにレファンさんの右手が壁に触れ、一瞬の浮遊感を感じた。

 

4階...

 

「...なるほど。魔法の覚醒が無いと...このエレベーターも...使えないのですか。」

すぐ隣でレファンさんの声と吐息がする...。

やはり辛いのか、言葉が途切れ途切れだ...。

 

そういえば、男の人とこんなに近づいたことないなぁ...。

 

なんてふと考えて、すぐに頭を振る。

さぁ、自室まであともうちょっと!

 

ゆっくりと、しかし着実に部屋に近づく。

レファンさんはこんな姿、ほかの人にも見られたくないよね。

 

じり...じり...

 

レファン、と書かれた札の付いた扉が見えてきた。

ガチャッ...

 

左手で扉を開け、一緒に中に入る。

私の部屋と似た感じだが、棚に置かれた本やペン・ノート・バッグなどの小物...

そして匂いが、違いをはっきりと感じさせている。

 

そのままベットまで連れて行って、ゆっくりと後ろを向いて腰を下ろす。

 

「ふー...」

 

「ふー...。ありがとうございます、サラ...。」

少し辛そうに、しかし安心したのか優しく微笑む。

 

「いえ、これくらい大丈夫ですよ。」

 

 

「サラ...失礼します。」

レファンさんの左手が、私の右耳に触れる...。

 

...っ!

 

「...これでいいでしょう。」

 

 

「勝手ではありますが、貴女の右耳に飾りを付けさせて頂きました。」

レファンさんがそう言いながら、ポケットから小さな鏡を開いて私の耳を映す。

レファンさんの言うとおり私の右耳に黒い小さなピアスが付いている。

 

「これには私の魔力を込めさせていただきました。

離れていても話ができますし、これならエレベーターも使えるでしょう...。」

 

なんと便利な!ありがたい...。

 

「ありがとうございます!」

 

「もうお昼です、ロチュス様の昼食の確認をお願いいたします。

食堂に行けばメイドがいますし、分からないことは聞いたら教えてくれるでしょう。」

 

「朝に行った食堂に行けばよろしいのですか?」

 

「私たちの食堂ですよ。王族も使用人も作っている所は同じです。」

 

「1階、ですね。かしこまりました!...無理なさらず、ゆっくり休んでくださいね?」

 

「ありがとうございます、ロチュス様には急用ができたとお伝えください。」

 

「はい!では失礼いたします。」

 

「よろしくお願いいたします。」

 

レファンさんの部屋から出て、少し急ぎ足にエレベーターに向かう。

 

壁に触れると、先ほどは反応しなかった壁に紋様が浮かび浮遊感を感じた...。

よし!やるぞ

 

 

続く...