続き...
5階...
ここは、王様・王妃様・ロチュス様のお部屋、王族用のお部屋となっている。
普段、使用人や従者であっても用がある以外はあまり立ち寄らない階層...。
穏やかな時間が流れる...。
「ここは、お父様とお母様のお部屋よ。小さい頃はよく、お父様とお母様の間で寝ていたわ..」
ロチュス様は、嬉しそうに話す。
「さようでございましたか。」
ふと、上着のポケットにしまってある、ディライブさんから貰った懐中時計を見る...。
時刻は14時45分。
「あら、素敵な時計ね...。」
「ええ、お世話になった方から頂きました。そろそろ休憩にしましょうか...お部屋でお待ちください。」
「そうね、待ってるわ。」
ロチュス様と分かれ、タルトの待つキッチンへ...
合間に完成させて置いて良かった...。
タルトを切ってお皿に乗せ、お湯を沸かして茶葉の用意をしロチュス様の元に戻る...。
「お待たせしました」
こうしてロチュス様がタルトを堪能し終わったあと...
今度は、城外の敷地内の案内へ...。
「ねぇねぇ、サラ...。」
「はい?」
「...靴紐が解けているわよ?」
「...あっ、少し失礼します」
「ええ...よいしょっと!」
「うわぁっ!!」
靴紐を結んでいると後ろの首元に突如重みが!
「...えっ?何しているんですか?ロチュス様!?」
「いいから、そのまま体を起こして立ち上がって頂戴?」
これ、完全に肩車だ...。
ロチュス様の小さな足を掴み、ゆっくりと立ち上がる...。
「あははっ!高い、高いわ!このまま行きましょう」
すごく楽しそうに笑うロチュス様。
外だから、ロチュス様の頭に何かあたる心配はないけれども...。
しっかりと足を掴んでいよう。
「ロチュス様?私の頭を掴んでいてくださいね?絶対に離さないで下さいよ?」
「もちろんよ!離さないわ!うふふ」
こうして、ロチュス様を肩車しながら敷地内を歩く...。
図書館と騎士団をちらりと見ながら、ロチュス様の案内を聞く。
「...さてと、こんな感じかしらね。」
「さすがロチュス様、いろいろとご存じですね。」
「ふふん、私はここの姫ですもの、当たり前のことよ。」
「...ずいぶんとお早く仲良しになりましたね?」
気づくと、前からレファンさんが歩いてきていた。
「あっ、レファンさん!」
「あっ!私とサラだとレファンとちょうど目が合うわ!」
「...それはようございました。ですが危ないので、ほどほどにして下さいね?」
「ええ、わかってるわ!」
「...すみません。」
「ほどほどに...お願いします。」
「はい...」
「サラ、18時になりましたらロチュス様の夕食となりますので、朝のようにロチュス様を2階の食堂へお連れしてください。」
「かしこまりました」
「では、くれぐれもお怪我の無いようにお願いしますね、ロチュス様?」
「わかったわ!」
レファンさんと分かれ、それからロチュス様と広場や裏庭に行った。
気付けば夕暮れになり、景色はオレンジ色に染まる...。
お腹空いてきた。
時刻は17時40分...
「いいお時間ですし、お城に戻りましょうか。」
「そうね、お腹空いたわ。」
暖かな明かりのついたお城に戻り、身なりを整えて王族の食堂へ...。
ガチャ...
「おかえりなさいませ、ご案内お疲れさまでございました。お待ちしておりましたよ?
さぞお腹を空かしておいでかと思いまして、いつもより少し多めにご用意しております」
とレファンさんが先に中で準備して待っていた。
「もう、お腹ペコペコよ。恵みに感謝します。」
椅子に座り、食べ始める...。
王様・王妃様の姿はない...。
一緒に食べないのかな。
「夕食は、お一人なのですか?」
とレファンさんにこっそりと尋ねてみる。
「たまに、お二方がお忙しい時はお一人です。」
「そうなのですね。」
ロチュス様の夕食が終わり、ロチュス様と別れて一階の従者の会議室へ...。
「本日は、突然のことでご迷惑をお掛けしました。」
椅子に座り、レファンさんと向かい合わせる。
「いえ、落ち着いたようで良かったです。」
「お城のことは少し分かりましたか?」
「はい、なんとなくではありますが...。」
「ではまた改めてご案内しますね。」
「ありがとうございます。」
「何も言っていませんでしたが、タルトもできたようで良かったです。ですが、ロチュス様のお願いを聞くのもほどほどに...」
「はい。」
「明日は、今日の午後植物の勉強の予定でしたが、キャンセルをしましたのでその埋め合わせと、地理とダンス・マナーの勉強があります。
」
「かしこまりました...」
グゥ~...
あっ...!
「...ふふっ、失礼。私たちの夕食は、19時30分からなので、あともう少しです。」
これどうぞ...と袋に入ったお菓子を手渡してくれた。
「お恥ずかしいところを、申し訳ありませんありがとうございます。」
「お腹の虫を放置したままロチュス様の前に出るのは従者としてみっともないですから...。
このように、忍ばせるのも覚えていた方が良いですよ?」
「...はい。」
なるほど。
「この後、19時からロチュス様の入浴になります。いつもメイドにお願いしているのですが、サラはメイドに同行してロチュス様のお世話をしてください。」
「かしこまりました」
「その間私は夕食の準備などをしていますので、終わり次第食堂に来てください」
「はい」
続く...
