続き




カランカラン…。


店ムニュの扉を開ける。


明るい雰囲気のレストランだった。
こっちで言うと、ファミレス!


明るめな木でできた建物に、オレンジ色のソファー。クリーム色のテーブルが眼前に広がっている。


1番奥でレストランのウェイターさん達が出入りしているのが見える…。



「いらっしゃいませ〜。」

とパステルカラーのオレンジ色のスカートとその上に白いフワフワのエプロンをした暗い紫色のポニーテールをした女性が出迎えた。


「7人です!」
「きゃあっ!ベル〜‼︎」


コクリコさんがウェイトレスさんに、人数を言った直後…そのウェイトレスさんがベルドゥジュールさんにバッと近付いた。


一瞬固まり、シン…となる。


「やぁ、ロベリー!」
ベルドゥジュールさんが微笑んで挨拶をした。


「また、来てくれたのね!嬉しいっ。」
ロベリーと呼ばれた女性は両手に拳を作り胸元に当てて、嬉しそうに笑みを浮かべている。


「来て、こっちよ!」

とベルドゥジュールさんの右腕に両腕を絡ませながら前に進んで行く…。


…。

なんか、驚きと変な空気…。


「…とりあえず行きましょうか。」
アドニスさんが言ったのを合図に、ぞろぞろと二人の後に続く。



4人ずつ座れる席にテーブルを挟んで、お互い向き合う型に座った。


「ご注文が決まりましたら、ベルでお知らせ下さ〜い。」
とロベリーさんは言って去っていく。


「皆んなを驚かせてしまってごめんね、彼女はよく遊んでいる友達なんだ。」
と通路に一番近く座るベルドゥジュールさんが説明した。

「…っにしては、ずいぶんとベタベタしてたな?」
と隣に座るコクリコさんが突っ込んで聞く。


「え?アレぐらいは友達でもするでしょう?」


「しないと思うけど…?」
えー、という顔をした。

「っていうかコクリコは、女友達はいないか。」
ニヤリと笑う。


「居なかったらダメなのか?」
頰を膨らませて言った。


「二人は何を頼むか決めないの?」
と喧嘩が始まりそうな所で、ベルドゥジュール・コクリコさんの列の向かい合わせの奥に座るセリーヌさんが聞いた。


「もう、決まってますよ。ここに来る時にいつも食べるものがあるんです。」
とベルドゥジュールさんは余裕さを出して言った。


「私達も決めましょう。」
とセリーヌさんの向かいに座るアザレアさんが言った。

私はその隣で、テーブルの上に広げてあるメニューを見る…。


メニューには、パスタ・ドリア・パン・お肉・サラダなど、様々な種類の料理の絵が並んであった。


元の世界と似たような物があるが、見た事がない料理の絵もページをめくるたびにあった。



「私、これにします。」
アザレアさんがバジルカスレと書かれたグラタンのようなものの料理の絵に人差し指を置いた。

「私は、これですね。」
ジェラニアムさんはラクレットと書かれた鉄板の上に野菜とチーズがあるものの料理に人差し指を置いた。


私は、どうしようかな?


少し右斜め前のセリーヌさんを見ると、セリーヌさんも悩んでる様子。



「メニューめくっても良いですか?」
と聞く。


「ああ、大丈夫だよ。」
セリーヌさんが答えてくれた。


メニューをパラパラとめくってパスタのページを見る。


無難にパスタにしようと。
あっちでも馴染みのあるトマトのパスタ!

美味しそう〜



「私は、トマトのパスタにします!」



「うん、私はこれだな。」
セリーヌさんはリゾットに人差し指を置く。


「僕は、トマトのタルティフレットにします。」
とアドニスさん。

「僕は、グラタンです!」
コクリコさんも言って皆んな決まったみたい。


「じゃあ呼ぶね〜、ロベリー!」
ベルドゥジュールさんが少し後ろを向いて、ロベリーさんを呼んだ。


しばらくして靴のコツコツという小さな音を立てて、ロベリーさんが来た。


「ベル〜、決まったぁ?」
ロベリーさんが尋ねる。


「うん、僕はいつものブフ・ブルギニオンね。」
ベルドゥジュールさんが答える。

「僕は、グラタン!」


「トマトのタルティフレット」


「リゾットを一つ」


「ラクレットを」


「バジルカスレください!」


皆んなそれぞれ注文をする。


「私は、トマトのパスタを」



ロベリーさんは左手でペンを持ち、空中で四角を作る…。
ペンをずらしていくとペン先から光が出て、それは手のひら大の四角を形取った。



「ブフ・ブルギニオン、グラタン、トマトのタルティフレット、リゾット、ラクレット、バジルカスレ、トマトのパスタですね。少々お待ち下さ〜い。」
ロベリーさんは注文を繰り返して、厨房の方に行った。


あれも、魔法…。