引っ越しが終わると、もう桜の季節であった。

 

 

桜の季節、春である。花咲き乱れる美しい季節。きっと四季の中でも好きな方が多いと思う。

 

 

だが私は春が嫌い。元々冬が好きということもあるが、春は色々鬱陶しいシーズンなのである。まず、虫が出てくる。死ぬほど嫌いというわけではないが、蟻やら小蠅やらGやら人の生活エリアに図々しく入り込んでくるのがイヤ。宿敵蚊も活動を始める。

 

 

ありがたいことに花粉症では無いのでそこは問題ないが、毎年4、5月は体調が悪い季節と決まっているのだ。理由はわからない。毎年毎年決まったように卒業式のあたりから具合が悪くなる。

 

 

疲れやすくなったり、不眠症が復活したり、何より偏頭痛がすごい。本当にすごい。朝起きたらすでに頭が痛いし、少しでも白っぽいものが視界に入ると眩しくて仕方ないし、立ち上がる時にピカチュウのしっぽのような光が見えたりする。そして、決まって右側だけ痛い。すごく痛い。右側だけ目も痛くなって、涙が出たりする。典型的な偏頭痛である。

 

 

高音を聞くのが辛い。相手に罪はないが、お子さんの声や小型犬の鳴き声、電車の発車ベルなどが聞こえてくると、偏頭痛がひどくなる。とりあえず横になりたくなる。電気屋さんにはこの期間になかなか行くことができない。照明が明るすぎるのと、大体大きな音でテーマソングが店内にかかっているからだ。

 

 

鎮痛剤を飲まないと日常生活が送れないので、とにかく鎮痛剤を飲む。きっちり時間通りに効果が切れるのでさらに飲む。普段の鎮痛剤だと効かない時が多くなってくるので、病院に行きロキソニンをもらう。そして、飲む。時間など見なくてもうっすら痛くなってくるので、また飲む。間違いなく、絶対に腎臓に負担をかけていると思う。

 

 

コロナが流行ってから、なぜか飲酒量が減ったので今は飲みたくなる日の方が少ないがそれでも少しワインくらい飲みたい日もある。しかしこの魔の2ヶ月はグラスワインなど飲もうものなら、2日は辛い。当然お酒の席は欠席する。

 

 

睡眠不足は片頭痛の原因になったりするのに、不眠症も併発しているものだから眠れない→頭いたいのループで夜中に叫びたくなる時もある。実際にやると、頭が割れそうになるので絶対やらないが。

 

 

この時期に願うことはただ一つ。早く5月の終わりの週になってほしい。そうすると、本当に不思議だが症状が消えているのだ。いや、でも今度は梅雨の時期で持病が痛む日が出てくるな・・・4、5、6、7月は恐怖な月ってことか。多いなぁ。

 

 

余談だが、習い事の先生が御年80過ぎの方で、60歳までどこか不調だったり検査にひっかかったりがなかったのだとか。見目も麗しく、心身ともに健康で経済的にも困っていない、理想な老後だ。おしゃれに気を遣い、私なんかよりよっぽど華やかな色味のお洋服をいつもお召しになっている。ちょっとわがままで気が強くて、明るい。お子さんとは年1〜2回一緒に旅行に行ったりする程よい距離感だ。心底羨ましい。私はいつもその方に元気をもらっている。