『驚麺屋(キョウメンヤ)』

しんとくんのラーメン教室vol.14

全然更新できてなくて申し訳ございませんでした。

さて、今回ご紹介したいお店は、京都は一乗寺にあります、超濃厚豚骨ラーメン屋を提供する『驚麺屋』です。

究極のラーメン2021関西版 (ぴあ MOOK 関西)

豚骨部門の「準グランプリ」に輝いております。



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ちなみに、一乗寺という場所は、関西のラーメン好きは間違いなく知っている、京都のラーメン激戦区になります。

他にも、『極鶏』『夢を語れ』『高安』などなどまだまだ食べログ3.5を超える人気店がひしめき合っています。いつかはブログで「一乗寺特集」とかしたいですね。
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外観からも『超濃厚』の文字が目立っており、こってり好きの私からしたら何ともたまりません!!

店内に入ると食券機があります。

この画像をみてもらったら分かるかと思うのですが、大きく3種類のラーメンがあります。

このなかで、1番人気のラーメンが『驚濃(キョウノウ)とんこつ』です。もちろん、まずは私もこちらを頼みました。

席に着き、お店の人に食券を渡すと、麺の硬さ背油ネギの量を聞かれますので、お好みでコールしましょう!


ネギと背油の量を無料で増やすことができるのは嬉しいですね!


私はカタ多めコテコテでコールしました。

白い背油がチャッチャと大量に盛り付けられてるのが分かるかと思います。

この背油がスープに独特の旨味コクを与えます。もちろん、量が多いほど、スープに溶け込みとろみをつけることになります。
※ただし、多ければ多いほど、油分も多くなりますので、脂っこいと感じる人もいるかと思います。自分の好みにあわせてコールください。

さて、私がラーメンを語るうえで最も重視しているスープを中心に書いていきたいと思います。


まずは、スープのビジュアルを確認していただきたいのですが、コテコテに投入した背油が、豚骨×魚介「出汁」×(醤油)タレ」のスープに溶け込んだ様子が分かるかと思います。

それにしても、コテコテまでにすると、油分が多く、少し脂っこくはなってしまいますが、とろみはしっかりつきます。


では、出汁について見ていきましょう。
先ほど少しチラッと書いたのですが、豚骨×魚介Wスープとなっております。

このWスープを完成させるときに、別々の鍋で仕込んでいるため、手間はかかりますが、その分、火加減・煮込み時間が異なるそれぞれの素材を適切に管理でき、より質の高い出汁を抽出することができるわけです。

もちろん、元から1つの鍋で豚骨も魚介も煮込むパターンもあるのですが、より素材の良さを抽出するためには、別々の鍋で手間をかけることが重要になります。

『驚麺屋』では、別々の鍋でWスープのもとになる出汁を抽出しています。

ただし、豚骨の濃度をとことん上げるためには、Wスープなどで魚介出汁をブレンドするのではなく、

純粋に《豚骨》と《水》のみで出汁を抽出したほうがいいのですが、『驚濃とんこつ』では、煮干し鰹節などの数種類の魚節+昆布から採った魚介出汁を組み合わせることで、超こってりの豚骨スープを食べやすく風味を加えているのかなと感じました。

そのため、魚介の味はあまり感じませんが、それだけ豚骨の旨味が最大限に抽出された超濃厚スープであることが伺えます。

では、その豚骨出汁について見ていきます。

まず、豚骨スープは強火でゴトゴトと長時間煮込むことで、通常分離する水と油が混ざり合う、つまり、乳化されたコッテリスープが完成されるのですが、その乳化剤となるのがコラーゲンです。

このコラーゲンが煮込まれるうちにゼラチンに変化し乳化を促進させます。

この乳化というものが、スープを濃厚なものにするためには超重要で、このコラーゲンが骨のなか(つまり、骨髄)にたくさん詰まっています。

そのため、ハンマーで砕いてより濃厚になるように一手間加えられていることになります。

また、超濃厚を実現するために、火加減や煮込み時間などが重要になること、乳化剤となるコラーゲンをたくさん抽出するためにハンマーで豚骨を砕くことの2点はこれまでに解説してきたとおりですが、

もう1つ大きな工夫があります。
それが、独自の『呼び戻し製法』にあります。

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呼び戻し製法??
なんだそれ??
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ですよねー。
呼び戻し製法を簡単にいうと、常に豚骨スープの管理を行いながら、《古いスープ》と《新しいスープ》を絶妙にブレンドし続ける製法をいいます。

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古いスープに新しいスープを
混ぜるだけの製法か~
何か簡単そうだな。
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と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。継ぎ足していくことで出るムラの調整をしなければならない職人技なのです。

具体的には、火力の調整や水との割合、撹拌(かくはん)等のタイミングなどが挙げられます。

当然、豚骨ラーメンは乳化されたラーメンなので、日によって状態が変わりやすい、難易度の高いラーメンといっても過言ではありません。
特に濃度を求めるならなおさら。

そのなかで、丁寧に処理をされながら、唯一無二の絶品ラーメンを作り上げているあたりは職人技だなと感心するしかありません。


ちなみに、その豚骨スープは、鶏の旨味を最大限に抽出しドロドロスープで有名な『極鶏』の濃度と負けず劣らずです。

いわば、豚骨版の『極鶏』といっても良いくらい、スープはドロドロです。

スープを持ち上げると、麺にくっついてきます。


ちなみに、レンゲチェックも。
当然かのようにビシッと立ちました。

そして、味はというと、どこか超濃厚豚骨ラーメンを提供する『無鉄砲』のものに近いような気がしました。もちろん、厳密にいうと、それぞれ個性があり違うのですが、系統としてはそっちよりかなと思いました。

ここで、

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ラーメンの「口当たり」と「味」について、
ラーメン屋さんで例えるなよ!
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ってツッコミが入りそうですが、これが一番分かりやすいかと思いますので、許してください。
※両方とも食べたことがない人には分かりにくい表現で申し訳ございません。


麺は中太ちじれ麺で、スープが麺に絡み最高のタッグです。

写真はありませんが、白ご飯も注文していて、海苔をスープに浸してご飯を巻いて食べるのも、ご飯にスープをかけて食べるのも最高でした。

最後にひとつだけ。
かなり濃厚です。
こってりが苦手な人にはおすすめはできません。

こってりが好きな人は、ここまで濃厚な豚骨ラーメンかと感心されるのではないかと思いますので、是非とも足をお運びください。

以上

訪問日
2021.3.20
2021.5.28