てめぇら 席につけ!
ケータイ 雑誌 イヤホン エロ本
今すぐしまえ


装飾 服装 盛って 目立って
画面に釘付け 夢もない


生きるために 産まれてきたんだ
生きるために 生きてるか?
何が起こるかわからない
今日に任せて 明日に託して
唯々諾々で 個性もない


多くの犠牲を知ってるか?
”ニンゲン”であることを
自覚しろ!


”当たり前”と
勝手に保障された 日常
中心である ”ニンゲン”


食事 寝床 金 遊び
恋愛 セックス 依存 犯罪
上に縛られ 涙もない


動物なのに 別格世界
与えられた頭脳と自由は
頂点を争うだけの道具
ずる賢く 陰湿な武器


生きるために 産まれてきたのに
生きるために 生きられない
地位+名誉=正義なの?
生肉食って 毛皮纏って
飽きればゴミ箱 未来もない


多くの犠牲を知ってるか?
”ニンゲン”の過ちに
目を向けろ!


自己中に地球破壊中
命の適用 ヒトのみ有効?
必死で守るは 身じゃなく 見栄
値段なんか興味ないけど
それ 動物の瞳 何個分?



所詮 ヒトも動物だ
そこに境界線引っ張って
”快適”のため 犠牲を省みない
”ニンゲン”であること 自覚しろ
”ニンゲン”の過ち 目を逸らすな
”ニンゲン”でいられること 感謝しろ


てめぇら 独りで生きてきたと思うなよ
今日はここまで!




「で、結局次の日に”クスリ買います”って理由つけて

 会いに行っちゃったんだよねー。」



ここで彼女に出会った日から、

毎日のように河川敷へ足を運んでいた。

会えるか会えないかは来てみないとわからなかったが、

たとえ彼女の姿がなくてもこの場所自体が特別だった。

そしてメールアドレスを交換してからは、

ここへ来る事が確認のためではなく、約束になった。



彼女が真実を知った日の晩、

”あいつ”と会って、

もう戻ってはこないという事を悟ったようだ。

疑心暗鬼になって孤独の恐怖に怯え続けた挙げ句、

”お姉さん”へ相談しに行く度にクスリを買った。

それまで彼女にとっての”クスリ”は所詮、

セックスの道具にしかすぎなかったらしいが、

彼の帰りを夜な夜な待ち続けているうちに

クスリ浸りになってしまったという。



一番の残骸…。



”最終的には自己責任だろ”と、

最後の嘆きすら冷たく返された彼女にトドメの一言。

”俺はシアワセになるためにお前と別れる。”



お前だって、今シアワセなんかじゃないだろう?

俺がお前を苦しめてるんだよ。

どっちかが相手を嫌いになれれば辛くなんかないのに、

残酷かもしれないが俺はお前を嫌いにはなれない…。

苦しくて辛いはずなのに、なぜかお前も俺を嫌わない。

クスリから抜け出せなくて借金まみれになって、

もう死ぬしかないって思ってた時にお前に出逢った。

俺は自分勝手だから結局お前を振り回して

散々な思いをさせてたくさん傷付けてしまった。

本当に申し訳ないと思ってる…。

でもこんな俺を今まで支え続けてくれてありがとう。

”シアワセになりたい”と思えるようになった。

このまま一緒にいても、お前はまた傷付いていくだけなんだ。

お前にも、”シアワセになってほしい”って思うんだよ。



彼女は、優しい。



”クスリ”で繋がった三人。

彼を好きになってしまったお姉さんは、

相談してくる彼女の苦しみや思いに触れるうち、

彼女のシアワセを願うようになったのだろう。

そんなお姉さんの事ですら、

彼女は嫌いになれなかった。

真実を知った上で、

改めて”女”として、”ヒト”として、

お姉さんと話がしたいと思える彼女は、

強い…。



「二人の関係を疑い始めた時点で、

 本当はそうなる事を確信してたんだよね。

 でも恐くて認められなかった。

 せめてお姉さんに”あたし”を知ってもらおうと

 ひたすら思いを伝えてきたけど、

 その度に…。」



あえて暗いトーンを避けて話してくる彼女は、

柔らかい表情で哀しく微笑む。

彼女の劣等感は計り知れなかっただろう。

自分の愛する人が惹かれた女性。

自分にはないものを持っている人…。

恋愛に勝敗はないが、

彼女は”負け”を受け入れた。

彼とお姉さんが彼女を嫌おうとしなかったのは、

残酷すぎる優しさだと思う。

しかしその優しさを彼女は恨んではいない。

二人の恋愛において確実に邪魔だったはずの存在、

それを”嫌いになれない”二人の苦しみ…。

辿り着く結末への妨げとなっていたのは皮肉にも、

彼女自身の持つ寛仁大度な性根を

誰も否定する事ができなかったからだ。



惨めな自分を”過去”にするために、

彼女は自らお姉さんに会いに行った。



「メールで散々謝られてたから、

 会ってまた謝ってきたら一発食らわすつもりだった。

 哀れに思われるくらいなら、

 嫌われた方がマシでしょ。」



笑顔でそう話す彼女は、

右手を握り締めて振り回している。

ふざけて勇ましい顔つきを向けていたが、

ふと息を吐いて、右手を下ろした。



「会ってから、

 気まずい雰囲気のまま一緒にご飯しに行ったんだ。

 そこで言われた。」



「謝られたの?」



彼女は「うぅん」と小さく首を横に振る。

そして苦笑いしながら、

はっきりとコトバを口にした。



「…”ありがとう”。」






赦す事で何かが救われるのなら、

あたしは赦し続ける。



潜み続けていた”醜いマリア”が、

ようやく殻を破った。





覚えていますか?

1年前の昨日。
小さなお願い、”ラブレターをください”

苦しい文面…。
お互い、出逢ったあの頃に戻りたかった。
愛を、知りたかった。

最後に繰り返し繰り返し
書かれていたコトバ。

”死にたい死にたい死にたい…”

続きのないコトバ。
これが最初で最後のラブレター。

覚えていますか?
あれから1年が経ちました。

ラブレターは温かいモノ。
シアワセのコトバ、
書けるようになりましたか?