半病人の一日。 | デュアンの夜更かし

デュアンの夜更かし

日記のようなことはあまり書かないつもり。

 3月14日(日)

 療養の日曜日。そう決め込んでいた夕べ、あろうことか夜が更けるにつれて体調がよくなってきてしまった。それはそれで困りごとなのである。なにしろこちらとしては完全に休養に充てる心積もりでいたものだから、急に回復されても一日を持て余してしまう。終日寝巻きのままでふとんに潜り、ラジオを聴いたり本を読んだりし、夕方になると2時間だけテレビの前に移動してはソファに寝転んでJリーグを観戦しようという「憧れの病床」が遠のいてしまう――。

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 今朝は遅く起床した。たとえ体調が謎の回復を遂げたとしても、ここのところ睡眠時間が足りていないことだけは明らかであったから。起き抜けにそのまま枕の上でラジオを聴く。すると、もはや予想ではない確信、は現実となり、次に起きたらばほとんど昼を迎えようとしていた。久々にたっぷりと睡眠をとったことにより、いまや心身ともに絶好調という不測の事態となってしまった。

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 しかしそれだとつまらないので、「自分は風邪をひいている身だ」と暗示をかけてみた。なんとまぁ単純なのだろう、すると病人が憑依してき、次の瞬間には自分をも騙す一流役者がここにいた。

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 などというのはなかなか非現実的で、やはり自分は正真正銘、ある程度風邪をひいていると考えるのが妥当であろう。しかし面倒なのが、風邪が所詮は「ある程度」であるということだ。活動するには少々しんどく、休養するには元気すぎるという塩梅。

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 こういう中途半端な状態ならば何ができるかと考えた。かねてからやりたいと思っていたことである不要な衣服の整理。今日は絶好の日和ではあるのだが、それは少し重労働になること必至。万が一風邪が悪化するようなことがあれば、風邪を憎む自分のことだから悶死もありえなくない。

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 すこぶる元気なら衣装棚をひっくり返して衣服の大整理をするか、最近ヘッドフォンを新調したおかげでますます盛んなエレキギターで「ひとり和室フェス」を開催するか、どこか人知れず営業している喫茶店などにいって読みかけの小説を読みふけるか、あるいはそれらすべてをやるところ。反対に、完全に病人ならば前述の通りふとんで読書やラジオを聴く。その合(あい)の子であるのが現在の自分。結局今日は、机でものすごくよい姿勢で読書をし、座ったまま歪ませずクリーンな音でエレキギターをつま弾き、ソファから立ち上がらんばかりに思わず合わせて足を動かしてしまったり祈ったりしながらヴィッセル神戸の試合を見守った(ホームで広島に1-2、惜敗!)。

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 そうして今、こうやってブログを書いているわけなのだが、この液晶画面をじっと見つめて頭を使うという行為こそが、完全復調の対極にあるものかもしれない。事実一段落ごとに頭がぼーっとし体が重たくなるのを感じている。命を削って書いている、などといえれば格好もつくが、ナンヤコレな文章であるのはよくわかっている。ワープロ依存症も大変である。勝手に目下、左ひざに怪我を抱えながらも戦うヴィッセルの大久保選手の気概を拝借し、投影させることにする。すなわち、ふだん通り、やりながら治す。そういうわけで今からパンクロックをかき鳴らそうと思う。直近の気候と体調が見事にリンクしている。早く春よこい。