走る寒波イブ、そして寒波当日へと。 | デュアンの夜更かし

デュアンの夜更かし

日記のようなことはあまり書かないつもり。

 1月13日(水)

 今日の日本列島は寒波に包み込まれる格好となっている、と朝の気象予報士は言っていた。各地で積雪が予想され、強風が吹き荒れることが予想されるため警戒が必要、とも。納得の寒さである。一年を通じて比較的過ごしやすいであろうこの地域でさえも、真っ昼間に降雪が見られたほどだ(それは一瞬で、だからもちろん積もってなどいない)。

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 さてそんな寒波襲来の前夜、いわゆる「寒波イブ」、今日ほどではないまでも、それはかなりの寒さのなか、ボクは意気揚々とジョグに勤しんだ。正月できちんとたるんだ体に、と言うよりかは気持ちを引き締めるために、再びまずはジョグをきちんとこなしていこうと決意したのだ。それに際して以前(12月25日ぶん参照)あれだけ気張っていた心はどこへやら、シューズを新調し、年始のセールにかこつけてスタイリッシュさ全開のウェアも新たにした。シューズはその履き心地にすっかり虜となった「NB」ことニューバランス。今回は普段履き兼用などというスケベ心は封印し、ジョグに特化した使用のモデルを採用。ウェアはナイキで(上着のみの購入)、昨今の服ときたら何でもかんでもショート丈という風潮があり、それに対して懐疑的な目を向ける自分(それが「流行」というものでもあるが)、だけれどこればかりはショート丈で、サイズ感にも一切の妥協をしないことを決めて買いに行くほどの気持ちの入りよう。これまではややオーバーサイズのものを着用しており、その煩わしさにほとほと辟易していたのである。25.5cm(!!)と1サイズ小さくし、より足に合うように変更したシューズ、袖丈裾丈を持て余さないウェア。後に気づいたことだが、ウェアは黒地に黄色のライン。そう、トラの配色である。年男ならぬ「年ウェア」。これで調子が上向かないならば嘘で、ipodを装着し夜空の下へ飛び出す瞬間はいつになく気分は昂りを見せていた。

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 ところで、ipodとは遊撃部隊であり、本隊はパソコン内に陣を張る「ⅰtunes」である。そこに全データが蓄積され、要するにipodを活かすも殺すもすべてⅰtunes次第というほどそれは重要なのだが、その調子が近ごろ著しく悪い。とりわけそれはCDをⅰtunes内に取り込む処理において散見され、1枚のアルバム(収録時間は50分としよう)を取り込むのに要する時間は、本来ならば10分かからないものが、自分のそれではざっと5時間だ。今度の場合は特に調子が悪かったらしく、約1時間のアルバムを取り込むのに約12時間もかかってしまった! インターネットでこの症状の何か有効な回答を得られるか検索してみたところ、似た症状に悩む声は多数見つかったが、自分ほど酷いケースは見当たらず、群を抜いて異常な遅さであると失望した。

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 昨夜のジョグは、ほんとうならばその前の晩に聴きながら走ろうと思っていたがitunesの不徳のせいで処理が間に合わず断念したその期待を背負っていた。新しいシューズやウェアがどんどん自分に馴染んでいく様を実感することや単純にジョグそのもののたのしみはもちろんあったけれど、「寒波イブ」のメインは音楽鑑賞だったのだ。

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 あれだけじりじりと待たされて、それはほんとうにストレスだった。けれどそのぶん期待値は増して、イコールその待望の時間の訪れはうれしくて仕方がなかった。そしてアルバムがはじまってからやがて終わるまでの1時間弱、ボクは止まることなく走り続けていた。これまでで最長の距離を、これまででいちばん軽い足取りで。「寒波イブ」もそれなりに風が強く、なにより寒かった。けれど、途中から確実に汗をかいており、最高に気分がよく、このまま道のないところでもどこまでも走れそうに、走りたくなった。そうさせるのは「音楽を待ったぶんだけの時間」で、その向こうには音楽がある。

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 さて、寒波当日、今日。その正体は予想以上に恐ろしかったと実感している。だけど我がipodには未再生のアルバムがまだ一枚残っている。それこそが取り込みに12時間を要したモンスターアルバムであり、是が非でも昨夜と同じシチュエーションで聴きたいと思っている。行く、とここに宣言してしまおう。





昨夜のジョグBGM 「TEENAGER(アルバム)」 フジファブリック