大学に行くべく正しく起き、用意も完了していざというときに、突然なんらかの力が働いて、今結局自室でコーヒーなぞ飲みながらこの文章を書いている。
なんらかの力と仰々しく言ったもののその成分は、面倒だと思う気持ちやたいした授業でない(そんなわけない)ということや微妙に電車を逃すやもというのが混在したもので、きわめて愚かな、でも確かな不可抗力。
結果、本来なら電車に乗っている今、激しい腹痛に苛まれ、背負うはずのかばんには財布が入っておらず、読んでいる本も残りわずか数ページであったいうことを知る。
これでは仮に正しく出発していたとしても悲しすぎる。
あぁやはりこの選択はまちがっていなかった、第六感は信ずるに値するとは、思わない。
たとえ出先で腹痛に見舞われてもなんらかの対処は可能だし、しているだろう。財布がなくてもこのご時世、致命的なことでもない。本、そんなものなくてもたかが半日なんの問題もない。
正当化する考えは簡単、問題は本当に正当なものにできるのかどうか。
それはこのあとの行動次第。
幸か不幸か、今の身なりはすっかりよそいき。
髪の毛も整っていて顔も歯もきれい、服も。
いつものぐーたらな自宅仕様とはちがい、しまっている心持ち。
さぁ、しよう、なにかを。