ショーケンの「熱狂雷舞」は本当に衝撃だった。

勿論歌われている詩世界は大人の生活や色恋を歌った歌達で、中二のくそガキにゃあ「何のこっちゃい?」といった内容なのであるが・・・
ショーケンの独特のリズム感、抑揚、七変万化とも言うべき声色で歌われると自分のようなガキにもその世界にのめり込める不思議な魅力を持っていた。

まだこの頃のショーケンは歌詞も大事に歌っていたし・・・



ちょいとばかし話は飛ぶが・・・
ショーケンて人はとても変わったボーカリストだと思う。
後年・・・ますます進化(深化?)を遂げたライブに於けるショーケンの歌唱パフォーマンスはどんどん歌詞がおざなりというか適当になっていく。
一番の平唄と二番のサビがくっつくぐらいは序の口で歌い出しからアドリブだったり、前後の歌詞の繋がりをマッタク無視した意味不明の英単語だったり・・・
でも、それがいいのである。
絶妙なリズム感で歌われるシャウト、合いの手、まるで歌がパーカッションの如きパフォーマンス・・・
極端に言ってしまえばショーケンの曲には歌詞が要らないのでは・・・
腕っこきのバンドが奏でる極上のグルーヴの中あの持ち前の絶妙なるリズム感を駆使してずっと喚いていても(失礼な言い方ですが、敬意を表して敢えて“喚き”と表現させていただきます)ワンステージ成り立ってしまうのでは?とまで考えてしまいます。
歌詞を大事に歌うのが普通のボーカリスト・・
でも歌詞が適当でも絶妙なリズム感で最高のパフォーマンスとして聴かせてくれるのは後はジェームス・ブラウンかフェラ・クティぐらい(いや、JBもフェラも歌詞が適当ではないかもしれませんが)か・・・
とにかく全盛期ショーケンてシンガーは世界的にも稀有なシンガーだったのではないかと思う。


話を1979年に戻すと・・・
「熱狂雷舞」で「ロック」なるモノに目覚めた自分だったが、興味の対象はあくまで萩原健一の「ロック」であった。
その年の内田裕也主宰の「ニューイヤーロックフェスティバル」(今では信じられん事だが紅白の裏番組で生中継であった)でのショーケンのパフォーマンスは圧巻であった。
「熱狂雷舞」同様柳ジョージ&レイニーウッドを従えてのパフォーマンスは明らかに大麻かドラッグでラリっていたのであろうが、まさに「狂気」としか呼べない、ロックンロールのダークサイドを体現できるパフォーマンスだった。

明けて1980年・・・
ショーケンが新しいバンドを組んだというニュースが流れた。
その新しいバンドでニューアルバムをレコーディングし、全国ツアーに出るという・・・
このバンドが凄かった・・・

7月に傑作アルバム「DONJUAN 」 リリース後の全国ツアー・・・

地元のホールでもやるということで地元のレコード屋でチケットを買って(いい時代だった)Tと一緒に人生初のコンサート、ライブというものも体験した。
70年代日本のロックの最強メンバーを集めた(この事を知ったのはもう少し後だったけど)、ツインギター、ツインドラム、よく歌うベース、堅実で的確なキーボードという極上の轟音グルーヴの演奏の中スタジオアルバムなんかより、遥かにカッ翔んだショーケンのボーカルで彩られたステージは初体験というアドバンテージを差し引いても強い衝撃を残してくれる強烈な時間だった・・・
きっとこの体験が一年前迄「ロック」なるものを嫌悪していたガキを「いつかはバンドを・・」という思いに変えたターニングポイントだったのだろうと思う。

同年12月に発売されたそんな壮絶な体験を追体験させてくれるライブアルバム「DONJUAN  LIVE 」 ・ ・ ・
紛れもなく我が人生で1・2を争うライブアルバムだ。
そして「DONJUAN  LIVE 」の最後の曲、「ROLLING  ON  THE  ROAD」 のエンディングでショーケンが叫ぶ「I Like ~」 に続くショーケンの好きなアーティスト達
Ray  Charles
Muddy  Waters
Bob  Dylan
Bob  Marley
Stievie  Wonder
そして
Rolling  Stones
を体験したい・・・
と考えたところから、自分の修羅の道・ロックンロール編がスタートしたのである。