
東京に行けば何かが変わる。
この冴えない毎日から抜け出せる。
そう信じて都内へ向かったのは約5年前。
前々から言われ続けてたんです、ラムは千葉なんかに居ないで東京の第一線で勝負するべきだ、ってね。
僕自身も都内の連中に負ける気はしなかった。
幸いにも姉が一人暮らしをしており、部屋が空いているので居候させて貰ってました。
遊びに行くのと、暮らすのでは大違い、実に刺激的。
格好いい奴等が山程居る、レベルの高い環境はたまらなく楽しかった。
結果的には、何も出来ずに実家へ帰ってくる事になったのです。
最初は取り敢えずバイトを探し、何とかアパレルかクラブ、ライブハウスのスタッフ募集を探しました。
でも田舎者の僕は都会に完全に飲まれてしまう。
毎日毎日、渋谷や新宿へ行き、街をフラフラするだけになってしまいました。
東京に居る、これだけで感覚が麻痺してしまい、仕事など、どーでも良くなってしまった。
何処に行っても本人のやる気が無ければ当然何も掴めない、当たり前の事ですが、都会が僕を狂わせた。
最初、何もかもが新鮮だった暮らしも、段々と倦怠して行き、一体何をしに上京したのか解らなくなってしまった。
たまらない程のホームシックにも掛かった、何もないが、地元や実家が恋しくてたまらなく、たったの半年で野望は消え失せました。
でも、未だに東京に未練はあります。
何事に関しても最高レベルの人種が集まっている。
何時かは都内で暮らしたいと、ずっと思っておりますが、問題は山積み。
あの街に対する憧れは今も変わらない。
この退屈な日々から抜け出す為には。
今日は何する?
明日は何処へ行く?
今の僕には何も解らない。