バグるんすよ…。

 

 能登半島地震もあって、このところボランティア志望の若い子に短い講習をやって、装備品のチェックをしたうえで被災地に送り出すという力作業をしておりましたが、51歳ワイからしますと18歳19歳の女の子たちが集まってワーワー言いながら作業しているど真ん中で監督するのは大変なことです。

 

 まあ、ワイがそういう監督に選ばれた理由もただひとつ、家庭円満で愛妻家かつ子ども4人であり、業務先でも多くの女性を扱う職場で事故なく10年以上ゆるゆるやっているから「安牌(アンパイ)」と思われているからなんでしょうけどね。

 

 実際、まかり間違えば孫ぐらいの年代(彼女たちからすると祖父)ですから、そんな間違いなど起きるはずはないと思ったりもするのですが、前前任者、前任者ともにワイより年上だったにもかかわらずそんな間違いを起こしてクビになっていると聞くと改めて気が引き締まります。人間、そういう環境にいるとにわかに色気づいたりするものなんでしょうか。非モテが長かったワイからしますと「何かあったら後が大変だし、そもそも欲情しないのである」という現実の前にむしろ自分の能力のなさに打ちのめされることになります。残念過ぎる。

 

 とまあ、大学や近隣の施設などから地域で集まった200人ぐらいの若い男女を相手にあれこれやっていたわけですけれども、逆にジジイとしてどうしても「あっ、こいつセックス相手を探しに来ているな」センサーが働くんですよ。盛りのついた発情期の猫ちゃんでもうっかり放置すると大変なことになるわけですが、最近は、所属する若者たちの私生活にワイら教員や関係者が踏み込むべきなのかと言われると実に線引きがむつかしい。

 

 また、例によってそういう若者たちの結構な割合が、中国や東南アジアから勉学を志して日本にわざわざやってきてくれた留学生の皆さんです。可哀想なのは日本にやってきたタイミングがたまたまコロナが大変な時期で、授業もまともにできないし同学同窓の子たちともコミュニケーションをとる機会もなかったという話になると、何のためにおカネを払って日本に来たのか悩みますという率直な声も聴くことになるんですよね。ワイの責任じゃないけど申し訳ない気分になるのです。

 

 そういう状況で同じハコに若い衆がすし詰めになって講習を受けて数日経てば、そりゃあまあいろんなことは起きるわけでして、本来コンプライアンスについて慎重な考えを持っているワイのところにも「お前、どうしてそうなった…」というような相談や告発が短期間であるにもかかわらずそれなりの件数やってくることになります。お前ら大人しくしてろよ…。

 

 そんなわけで「大変だよ」って記事を書くことになるわけですけれども、女の子は女の子同士横のつながりが強くできる者であり、それは日本人だろうが留学生だろうが変わらず、ベトナムからやってきた女の子とネパールからやってきた女の子が一年の日本語研修の果てに日本語を使って意思疎通をしている姿を見ると「これが国際化というものか」とハッとすることになるんです。よく考えれば、当たり前のことなんですけれども。

 

 というのも、例えば前職でもロシアに何度も長期出張していて、現地で作業手配をするにあたって、雇ったモンゴル人とか北朝鮮人とかにロシア語で指示を出している日本人のワイ、みたいなことってあるわけです。当たり前だ。でも現地のロシア人からすると「この日本人のボスは英語ではなくロシア語で移民労働者に指示をしている…!?」みたいなカルチャーショックを引き起こすこともあるんですよ。いや、語学って偉大だなって思う瞬間なんですが、いざ日本で彼ら彼女らを受け入れる側になってみると、留学生たちの優秀さも相俟って「このままでいいのか日本!」などと感じてしまいます。

 

 ボランティアとは直接関係ありませんが、年末には北海道にもずいぶん足を向けました。それなりにヘビーな仕事に個人的な家族旅行をジョイントして無理矢理家族を連れて行ったりしたんですけど、いろんな地域から集まってきていた若い衆を連れてカラオケやボウリングなどにも行きました。仕事の一環だからね、仕方ないね。

 

 しかし、そこで歌われるカラオケ、もちろん若い人らしくYOASOBIとかKing Gnuとか流行りの曲もあるんですけど、そういうのとはまったく気にすることなく流れてくるのは中森明菜『北ウイング』であり渡辺美里『My Revolution』であり国生さゆり『バレンタインデーキッス』でありおにゃん子クラブ『セーラー服を脱がせないで』であり小泉今日子『あなたに会えてよかった』なのであります。

 

 その中でも比較的新しいもので言えば『Time goes by』だったりして、どういうことなの…。

 

 別のグループともカラオケ行く機会があって似たような経験をしたので話を聞くと、どうもApple Musicなどサブスクで邦楽を聴いていると、レコメンドで懐メロが出てくる機会がそれなりにいっぱいあって、やっぱりいい曲は昭和だろうが令和だろうが関係なくいいと思うので好きで歌っている、と率直な反応が返ってきてそんなものなのかなあと…。むしろ、洋曲が日本ではさっぱり聴かれなくなり、若い衆に「テイラースウィフト知ってる?」って訊いても名前は知ってるけど曲は知らない的な膝から崩れ落ちそうな反応をもらうたび、文化の継続性とサブスクがいまの子たちに与えている音楽シーンへの影響力なども深く感じずにはいられないのでありました。

 

 いずれにせよ、ワイの立場から申し上げたいことはただひとつ「まじめに勉強しろ」ということでありまして、ワイの大学生の頃よりははるかにしっかり学んでいるとは思うんですけれども、世間の騒動はどうであれ実学はしっかり積まないと駄目です。そうでないと、ワイみたいな大人になるよ。

 

 画像はAIが考えた『若者が楽しく遊んでいるところで警戒の目を光らせる経験豊富なジジイ』です。

 

 

 

https://books.rakuten.co.jp/rb/15879273/