上野千鶴子のフェミニズム思想を愛する中国人女性
 東京大学方面では暗黙の了解とも言われていた上野千鶴子先生のご結婚問題が改めて蒸し返され、しかもガッツリ活字になったことで波紋が広がっています。

 というのも、国立大学系でこの手の教員のコンプライアンスをやっている人たちからすれば、むしろ上野千鶴子先生の男性に対する情愛についてはつとに知られているところでもあり、また、であるがゆえに上野千鶴子先生の思想の破壊力やその表現における作家性、さらに弟子筋も含めたウエニズム的人脈のアレさ具合や、メディア受けするフェミニズムとの矛盾、齟齬もあって各所で話題になっているようで良かったです。

“おひとりさまの教祖”上野千鶴子(74)が入籍していた #週刊文春 https://bunshun.jp/denshiban/articles/b5260

 個人的には、上野先生ほどの人なのだから、第三者がご結婚の経緯についてあれこれ申し上げるのも野暮と思いつつ、等しく貧しくなろうとか、婚姻制度に対する論評に対する答え合わせとして、ある意味で成熟した女性が抱える嫉妬と執念のブレンドの濃いめコーヒーを空きっ腹に飲まされる的胃もたれを感じる面はございます。中にいる人ほど、裏切られた感を持つ人もある一方で、そもそも思想とは個人の情念に裏打ちされた当事者性が大事なのだとも思いますから、このような事実を知らなかった皆さんが良い意味で咀嚼していただければと思う面は強くあります。

 一方、民主化されていない都市社会に暮らす独身女性おいて上野千鶴子的思想は刺激が強いのは日本に限らず、韓国や中国でも猛威を振るっており、いまなお数千近い上野千鶴子批評のWeiboが日々流通していて興味深い次第です。ある種の思想爆弾として、共産主義を建前としたご都合中華封建体制を護持してきた中国社会や、強烈な儒教文化から女性の社会進出が深刻な社会内対立を生んで2022年の出生率が0.76(速報値)にまで下がってしまった韓国社会への影響も大きくありました。

中国との情報戦には「彼らに都合の悪い思想」を輸出せよ。例えば上野千鶴子とか【山本一郎】 https://web-willmagazine.com/international/Bavhm

 そのような解説記事を書いたところ、中国社会や都市政策に詳しい有識者の皆さまから記事を削除するよう素敵なご要望を戴くなどの事態に発展しておりましたが私は元気です。

 中国でも定点観測している先がこの文春報道をいち早く完訳し流通せしめる状況となっており、それは勝手に翻訳して流通させられると困るので文春にカネを払ってくれと思わないでもないのですが、何がどう都合が悪かったのか今回も上野千鶴子関連のSNS発信はワードBANとなり削除対象となってしまっていることを視認しました。何か知らんが即消されます。中国社会でもおひとりさまこそ女性の権利であり社会進出であるとする言動は都合が悪いようでもあります。

 何を隠そう、地域社会研究でいま中国では日本以上にDINKSと称された子どもを儲けない共働き世帯が出産適齢期を過ぎてしまってどうにもならない都市負債になると懸念されていて、一部の都市ではこれらの子どもを儲けない世帯に対して罰則を設けるという噂が出るなど問題が広がっておるようです。

子供は作っておいた方がいい
https://anond.hatelabo.jp/20230222190044
上野千鶴子の文春砲から女の幸せについて考えてみた|白魔女 @happycareer #note https://note.com/happycareer13/n/n6a81f4609a31

 それもこれも、都市生活を送る個人の生存戦略にとって、子育てをコストとして見たときに複数の子どもを生み、育てることよりも自身の生活上の幸せや富を消費面で支えることが大事だという割と先進国共通の問題を中国も韓国も日本同様に抱えたのは間違いないと思うのですが、

 他方で若いころに趣味を含め自分の人生を豊かにしようと考えて子どもは要らない選択肢をし、結婚しても子どもを儲けないとしたところ、年を経て、子どもを授からないことによる社会的疎外感から慌てて不妊治療に打って出る中国人がいたり、また、27歳を超えて結婚できない女性が社会的に開き直ってフェミニズムに邁進するも40代を迎えて社会的疎外を感じて大変なことになってしまう例もあったりで、日本社会よりも早く少子化が進んだ中国韓国はやはり社会風土的にも子育て冷遇の結果が取り返しのつかない人口減少に拍車をかけたのだと言えます。

 その割に、台湾や香港では上野千鶴子的何かが社会問題を引き起こしている素地は乏しいように見え、個人的には体感としてやはり民主主義による雑多な言論環境がマジョリティにおけるこれらの思想爆弾に対する耐性を備える面はあるのではないかとさえ思います。や、まったく調べてはおりませんが、何となくそんな感じがするってことで。ええ。

 画像はAIが考えた「上野千鶴子のフェミニズム思想を愛する中国人女性」です。