水面下でめっちゃ揉めておりまして、メディアに「批判的に取り上げて欲しい」とか「石川県の恥だ」と感情的な叫びがやってくるのに対し、私らとしては「え、知事が年末年始のお休み中にプロレスをして何があかんの」としか思わないわけです。

 論争になっていたので、詳細を知ろうと思わず駆けつけた先は東京スポーツだったんですが、案の定ちゃんと取り上げていました。安心した。

【ノア】「X」は石川県知事の馳浩 2年ぶりリングで驚異のコンディション「プロだから当たり前」
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/249889

 これ、例えばプロゴルファーが政治家に転身し、休暇中にオープンな場でゴルフに参戦していたなら問題にならないわけですよ。あるいは釣りとかサッカーとか野球とか。しかしプロレスは駄目だ、不謹慎だというのは、職業の貴賎をはっきり想定して文句を垂れているわけですよね。

 で、遠因は保守分裂どころか保守3分裂した石川県知事選で、実績と知名度双方を引っ提げた馳浩さんが勝ったことで、当時候補者調整で奔走した故・安倍晋三さんや森喜朗さんらのメンツが丸つぶれになったことです。しかも、調整不備の結果、自民党石川県連は自主投票を余儀なくされ、地元自民系議員も表立って馳浩さんを応援するのがむつかしい中、ある意味でプロレスラーとして本当に勝っちゃったわけですから、知事としてのキャリアを支えるためにもプロレスファンを惹きつけるためにもプロレス興行に顔を出したり、何となればプロレスを自らやっちゃうのも当然のことと言えます。

石川県知事選、馳浩氏が初当選 7982票差の接戦制す〈知事選2022〉
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/684901
保守3分裂の石川県知事選 「横一線に並ぶ激戦」 開票は深夜まで:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASQ3B6K2BQ3BPISC00M.html

 すっかり権勢の衰えた森喜朗さんも、メディアで馳浩さんのプロレス参戦に苦言を呈していましたが、これだって要するに「あなたが候補者調整に失敗したから、あなたが望ましくないと思ってるプロレスに新年早々参戦しちゃう議員が知事になったんでしょ?」と言われて終わるやつです。よく言えば世代交代、悪く言えば仕切る能力の低下が象徴的に東京スポーツネタに昇華したとも言えます。

 私個人としては、いいんじゃないですかね。ハガー市長みたいで。応援してますよ。


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 こちらは、AIが考えたハガー石川県知事です。