この辺のすったもんだ、自民党税調の中の話は別の人が書くそうなので、それ以外の財源論についてあれこれ取材をして記事にすることにしました。どこかの媒体で載ると思いますが、防衛費を然るべき形で捻出するよというのは必要な措置であろうとは感じます。この辺、ウクライナに侵攻したロシアや中国周りでの香港、台湾や北朝鮮の状況などを見れば、安閑としてはいられないですよねというのは納得がいくかと思います。

防衛費増額の財源 復興特別所得税の徴収 20年程度延長案検討 | NHK   https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221213/k10013920901000.html 
月イチ連載「山本一郎の#台湾の件」第9回:台湾地方選からの中国習近平さんゼロコロナへの「白紙革命」で大騒ぎの年末
https://japan.thenewslens.com/article/2920

 他方、台湾メディアでも東アジア政治事情で軽く触れましたが、中国政治の白紙革命によるゼロコロナ政策の転換と、おそらく来年2Qぐらいから派手に問題になるであろう中国経済の失調とシャドウバンキング問題に類する不良債権事情が条件となって、非常に見通しがしづらい環境になるのは間違いないと思うんですよ。

 周辺事情が混乱しそうでヤバいし、防衛力強化や多機能化は必要だよねという常識的な議論の果てにこれぐらい予算が必要です、という予算面の裏付けを取るのは必要だし、先の世代への負担としないので国債発行はこれには充てず、やや牽強付会気味に為替特会の差益をここに充当するでやんすというのは税外収入充当論の中でも飛び技的問題だったと思っていたんですよね。これはもう毎年神田暴威先生にナイストレードを連発してもらって、世界で一番稼ぐファンドは財務省なんだというラストマン・スタンディングでやってもらうしかないのでしょうか。

防衛費増へ財源確保に苦心 財務省、特別会計活用も検討: 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA012KX0R01C22A2000000

 ただでさえ、特別経済対策の目玉で今年も29兆円もの補正をやるということになって、来期もこれやるんですかって話になると思うんですが、これでたぶん税収は一桁億しか増えないでしょうから、まあもうどうしようもないんですよね。

 次世代への負担を減らすためにも国債を出さないという方針を堅持したうえで、なおあと1兆円の財源を模索するというのは当然必要なことで、自民党でも税調で120人も議員が集まってワイワイ長時間やっていたのもそれだけ国家の大事であって、岸田文雄政権の機能面での低下ゆえに自民党の党内議論が事実上の重要法案を決める国会の役割を果たしてしまっているのではないかとも言えます。

 象徴的だったのは、西村博之(ひろゆき)さんと成田悠輔さんのテレビ東京の番組で、財務省出身の岸田政権要石でもある木原誠二さんが、収録日程の問題もあったとは思いますが思い切り「岸田政権では増税するとは聞いてません」と喋ってしまったことです。

<衝撃>木原誠二は岸田総理から増税の話を聞いていなかった!?|テレ東プラス https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2022/027141.html

 もちろん、法人税4%上げとかそういう話は再来年度以降の話であって、本格的に増税やるよという話ならば岸田政権の支持率如何では国民の信を問い直すための解散総選挙を経ないと駄目だろうという議論にはなると思うんですよ。そこまでふん切れるのかは分かりませんが。でも、仮にも次の衆議院選挙まで3年間のフリーハンドがある黄金時代を迎えたはずの岸田政権が、経済対策や国葬以外で画期的な功績を上げないまま支持率低迷と共に不思議な挙動を繰り返しているというのはどういうことなんでしょう。

 願わくば、もう少し丁寧に増税論議のお題を取りまとめて欲しいというところなんですが、司令塔もシナリオもなく、ただ必要だからやりましょうというある種真面目かって感じの進め方でどこまでいけるものなんでしょうかね。私にはよく分かりません。まったく。

山本一郎既刊!『ズレずに生き抜く』(文藝春秋・刊)

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