「新電力は日本の電力安定供給の邪魔だから潰れちゃえよ」という趣旨の業界レターを書いたところ、お叱りと激怒の内容証明が届いたのが今年2月下旬のことでした。

 彼らにも確かに言い分があって、経済産業省の電力自由化方針の下で割とザルな小売電気事業者に対する電力供給力確保義務のお陰で電力システム供給体制が不安定になったというのは、あくまで政策の不備であって、俺たちの経営がクソだったからではないという趣旨の話であります。

 しかしながら、火力がゴミのようなメガソーラー発電の具となりサブ電源として変動する電力量を補助する側に回った結果、電力会社における火力発電所の操業が慢性的な赤字となり、改善がなされないことから、ベースロード電力の確保は原子力発電を主力にせざるを得ず、しかし原子力発電はリプレースがすぐには困難なことから、むしろメガソーラーを徐々に廃止し、LNG火力発電所を早期に新発してベースロード電力を担ってもらわないといけないというのが現状です。

 「政策が間違っていたのであって俺たちが悪いわけじゃない」というのも一理ありますが、他方でクソのようなエネルギー政策に乗せられて特段の発電能力を持ち合わせていないのに国民に広く「電力が安くなる」と騙してサービスを販売してきた新電力や関係事業者の罪は重く、エネルギー危機に際して突然十数倍近い電力費の負担を求められた法人やご家庭もあるなかでお前ら充分な説明を顧客にしたのか、また、特段の供託金も積まずにいきなり廃業する悪質業者も出る中で業界対応はそれでよかったのかというのは当然論じられるべきことだと考えています。

 資源輸入の観点からは、ワイら業者の問題として中長期的な電力動向と目先の資源調達計画とがまったく合わねえぞ馬鹿野郎というブチ切れを日々感じながら毎朝毎晩「質の悪い新電力死ねばいいのに」と思っていることは、抗議があろうが物議を醸そうが無関係にそういうものなのだと思ってもらうしかありません。立場があまりにも違いますし。

 サハリン2を扱ってるロシア屋のポジショントーク云々と言われてますが、ぶっちゃけLNGの入りの問題とお前ら新電力やメガソーラーの一部が存在自体がクソであることとは無関係です。そればかりか、電力会社や調達中間会社が資源輸入して何とか発電しているところへ、不安定な電源だけ基幹系に放出して火力をベースロード外にして首都圏で停電を起こさせたのはシンプルに新電力やメガソーラーのゴミを電力会社が背負わされたからです。

 そういう話を現代やエネルギー系、原子力学会誌でも引き続き書いていこうと思っておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

(お詫びと訂正 8日 20時03分)

 複数ご指摘があり、当該記事で内容証明を送った事業者は「新電力」であり、タイトルや本文中にあるような「新電電」ではないのではないかとの内容でしたが、確かに当方のミスで、正しくは「新電力」の一部でした。誤記となりましたことを付してお詫びいたしますとともに、謹んでタイトル・本文を修正させていただきます。ご指摘いただいた皆さまには深く感謝申し上げるとともに、誤解を受けることになった「auでんき」ほか新電電系の皆さまや関係者には伏して謝罪いたします。申し訳ございませんでした。