コロナウイルスの感染拡大が進んでいる中で、これへの対策を行うための法律的な裏付けが必要だということもあって、新型インフルエンザ特措法などの改正や、経済支援の枠組みの再調整などの議論はどうしても必要だと思うんですよね。

 で、昨日掲載の産経新聞にこんな記事を寄せました。

【新聞に喝!】コロナ対策、臨時国会召集は必要だ ブロガー・投資家・山本一郎 https://www.sankei.com/column/news/200809/clm2008090003-n1.html

 ところが、自由民主党は臨時国会の早期の召集に後ろ向きなんだそうですよ。閉会中審査でええやんけ、という話ではありますが、まあ、憲法53条にもそう明記されておりますからね。

与党、臨時国会召集を重ねて拒否 野党、首相の国会での説明要求:東京新聞 TOKYO Web https://www.tokyo-np.co.jp/article/47967/

第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

 確かに、自民党が言うように、臨時国会の召集について憲法は「いつまでに決定せよ」とは書いていませんので、それが10月でござるとか、上手い具合に「臨時国会をやらないとは言ってない」と逃げることは可能だと思うんですよ。

 でもですね、この臨時国会は単に野党が自民党や安倍政権の失政追及をしたいから開けと言っているものではなく、いま目の前の、問題となっている感染症対策をどうするのか、また、国民の生活で大打撃を受けているところにどう国家が追加で手当てをするのか、あるいは減税だ増税だ、様々な国家の大事に関わる議論をしなければいけない時期だからこそ、憲法第53条に基づいて「国会を開いてくれ」と言っているんだと思うんですよ。

 これもういまの政権や自民党が国民のほうを向いているのか、安倍晋三さんのほうを見ているのかが如実に分かってしまいかねない部分はあるんじゃないでしょうか。

 もちろん、表に出てきた稲田朋美さんだけの話ではないでしょうから、稲田さんがどうこうということではなく、いまの政権の問題として、これどうするつもりなのよ、って。

 そして、一連の「憲法第53条に基づいて臨時国会開いてよ」「やだよ」って流れで言うならば、少なくともいまの政権は憲法を守るつもりがないのだ、という批判を受けることになりますね。安倍政権が、安倍晋三さん本人が、政治的使命として改憲を進めるのだ、それを花道にするのだ、という願いを持つのは結構ですけれども、見た感じ、憲法を守るつもりのない安倍政権で憲法改正をして良いのか、という議論は出ると思うんですよ。




 いや、ほんとこれ、大丈夫なんですかね。素で、心配になりました。マジで。

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