5月15日現在、2万7,000人以上の死者を出したスペインですが、大規模な抗体検査を行ったものの抗体陽性は5%ほどで、検査方法や検査キットの精度の問題はあるかもしれませんがいずれにせよ絶望的な数字であることには間違いありません。

スペイン、抗体陽性は国民の5% 6万人検査、集団免疫「なし」 | 2020/5/14 - 共同通信 https://this.kiji.is/633421289230124129

 これで、社会的にコロナウイルスに対する集団免疫を構築し、対策を打っていこうという試みは不可能になったと言えます。確実にこのコロナウイルス問題から足抜けをするにはワクチン開発を進めるか、COVID-19の変異が進んで弱毒化がメイン株となりインフルエンザウイルスのような季節性感冒ぐらいに落ち着いてくれるのを待つしかなくなったのではないでしょうか。

 また、期待されたBCGはイスラエルの研究でほぼ効果が否定され、アビガンも効用を否定されそうです。感染力の強い欧州型の蔓延を緊急事態宣言明けにどう乗り越えるのかが今後の課題なのかと思います。

新型コロナ BCGワクチン“予防効果なし” イスラエル研究G | NHKニュース  https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200514/k10012430111000.html

アビガンは効かない|k_owaki #note https://note.com/k_owaki/n/n41bb28b3c6b7

 先日、いわゆる「出口戦略」のスコープをどうするべきかというテーマでJBpressに寄稿したのですが、おそらくこれから本格的に経済後退が日本を覆うとき一番最初に割を食うのは低所得者層、地方経済、在日外国人などの「弱者」であることは言うまでもありません。

コロナで沈没する地方の「誰を生かし、誰を殺すか」【連載】令和版「この国のかたち」:NFIからの提言Vol.2
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60458

 不況でインフレの疑いが強くなると、真っ先に干上がるのは地方経済であって、そこに依存している人たちは大変なことになるわけですが、その前に金融、輸送、電力ガス水道などのインフラ事業についてどのように立て直していくのかの国民の議論が広範に必要です。

 おそらくは、地方の産業・金融再編を行い、そこに公的資金を入れて雇用を守るようなある種のニューディール政策が必要になるだろうと思うのですが、ここから出口戦略をうまく編み出すことはできるのでしょうか。

 また、現代ビジネスにも「自粛要請と自粛しない自由」の最前線が、自粛しないぱちんこ屋やSMクラブなどになったなあという記事を寄せました。

ぱちんこ・風俗vsお上・世間の衝突は自由をめぐる闘争の最前線だ @gendai_biz https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72566

 いうことを聞かないぱちんこ屋や風俗店にいうことを聞かせようとして強制力を持たせる法律を作ろうとするだけでなく、安倍晋三さんが憲法改正にまで話を持ち込んでしまっているのはさすがに気になります。

 良い形で話が落ち着くように何かできないか悩むわけですが。

山本一郎既刊!『ズレずに生き抜く』(文藝春秋・刊)